【飲食店の「点数」について】
このブログにおける「点数」はいわゆるグルメレビューサイトなどの評価点の考え方とは違います。
「5点:良い⇔1点:悪い」という評価基準ではなく、点が付いていればすべて「オススメ」の飲食店であり、点数の多寡でそのオススメ度合いを表現しています。
点数は料理の評価だけによるものではなく、対価、接客、立地、雰囲気などさまざまなファクターを総合した、あくまでも主観に基づく食後感によるものなので、絶対的な料理のクオリティと同期していないこともあります。
また、同一の店舗であっても訪問時期により点数が異なることがあります。
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☆☆☆☆☆(5点:とても好きなお店!)
☆☆☆☆★(4点:誰にでもオススメ!)
☆☆☆★★(3点:けっこうオススメ!)
☆☆★★★(2点:ちょっとオススメ!)
☆★★★★(1点:お好きな方はぜひ!)
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この日は荒木町へ。
飲食店がひしめき合う「車力門通り」をぶらぶら下り、金丸稲荷神社の脇の細い路地を進むと見えてくるのがこちら。
「荒木町たつや」。
この夜もグルメな友人が予約してくれた「荒木町たつや」のプラチナシートにお邪魔したのでした。
ご主人の石山竜也氏がかの名店「神楽坂石かわ」一派の出身。
2017年にこの荒木町で「荒木町たつや」として独立するや瞬く間に予約が取れない人気店となってしまいました。
先付けには岩海苔で彩られた甘鯛の茶碗蒸し。
前回の訪問時に椀種として頂いた甘鯛もその味わいに感嘆した記憶が有りますが、この日の甘鯛も実に味わい深く美味。
この時点で今夜の料理への期待感が膨らみます。
蛍烏賊を使った春らしい飯蒸し。
山椒の香りが食欲を刺激します。
琵琶湖の「もろこ」と蕗の薹の天ぷら。
だいぶ前に滋賀に出かけたときに琵琶湖の鮎は頂いたことがあるのですが、琵琶湖ならではのもうひとつの名物と言える「もろこ」。こちらは初めて頂きました。
ひと口頂くと、ふんわりとした身の食感のなかに上品な味わいと香りを併せ持つ端正な味わい。
ずいぶん長く生きていますけど、まだまだ頂いたことのない食材、たくさん有りますね。
下世話な話ですが天然物の「もろこ」は流通量が少なくたいへん高級な魚で京都の一流の料亭などでしかなかなかお目に掛かれない食材のようです。
下世話な話ばかりではなんですから、食器についても。
日本料理を頂くときの楽しみのひとつである器。
器に関してはシロウトもシロウト、どシロウトなのですが、そんなぼくでもこの「もろこ」に合わせられた器の美しさには目を奪われました。
食材と器の取り合わせの妙がわかるような大人になりたいものです。
日本料理の楽しみである椀もの。
この夜の椀種は桜鱒と新わかめと蕪。
いまが旬の桜鱒は程よい脂の風味としっかりとした旨味が印象的でした。
お造りは水分をじっくりと抜いてねっとりした食感と甘さが強調されたあおり烏賊が印象的。
焼きものは鰆とアスパラガスでした。
鰆は表面の香ばしさとレアな部分のみずみずしさのコントラストが楽しめるように絶妙な火入れに仕上げられています。
そしてかいわれ大根。このかいわれ大根は近年一般的な水耕栽培ではなく昔ながらの砂耕栽培で育てられたものだそうで、ぼくの舌でその差がわかるかどうか甚だ自信が有りませんが、確かにピリッとした辛味の奥にほのかな甘さと言うか旨さが感じられ美味でした。
炊合せには猪と、その断面の美しさに思わず目を奪われる京都の筍。こちらを白味噌仕立てで頂きます。
しっかりとした食感の猪の身には野趣あふれる旨味が凝縮されていますが、その力強い旨味に負けることなく旨味をさらに引き立てるのが芳醇な白味噌の味わい。
その芳醇なお出汁で頂く雑炊。しみじみウマい。
もちろんお代りも頂きしたが、ぼくの本心を言いますと、永遠に食べ続けたい味です、これ(笑)。
甘味はマスカルポーネチーズと落花生に金柑のジャムを添えて。
この日も春の食材を存分に楽しめる素晴らしい料理の数々に大満足。
超人気店ゆえ次回の訪問はだいぶ先になってしまいそうですが、次の訪問が今から楽しみです。
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・店名 荒木町たつや
・住所 東京都新宿区荒木町10
タウンコートナナウミ 1階
・電話 03-6709-8087
・備考 予約は月初営業日の正午より電話にて受付。
・参考記事 2021年10月20日「荒木町 荒木町たつや」
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この日は大崎で用事を済ませたあとで、春風に誘われぶらりと徒歩で五反田へ。
お目当の店はこの界隈の飲食店に詳しい友人が教えてくれた、夜ごと満席になると言うイタリアン。
予約をしていなかったので、席が空いていれば滑り込もう、と言う魂胆です。
その店がこちら。
派手な看板には「ぽるこ」と店名が光り、黒板には「豚づくし」の文字。
スタッフに予約なしでも入れるか訊いてみるとちょうどタイミングよくカウンター席が空いたと言うので、さっそく入店。
「ぽるこ」(Porco)とはイタリア語の「豚」。
その店名の通り看板メニューは豚肉料理と聞いていましたので、前菜はバランスを考えて魚介系を。
なんでも値上りしちゃう今日この頃、770円なんて嬉しいじゃないですか。
ボリュームだってふたりでシェアするのに十分。
味わいもこれがまた770円と言うお値段から想像するレベルを良い意味で裏切るもの。
550円。冗談みたいなお値段です。
このサラダもボリュームたっぷり。ボリューム考えたらサイ●リヤより安いかも。
そしてゴルゴンゾーラチーズの濃厚な味わいとくるみの香ばしさが相まって味わいも本格的。
カルパッチョとサラダのふた皿を頂いただけですが、この時点で既に「ぽるこ」の人気の理由を理解したのでした。
肉料理に行く前にもうひと皿。
ソテーされた香ばしい香りと素材自体の甘さのコンビネーションが良いですね。
春らしい気分が高まるひと皿でした。
そしてお待ちかねの肉料理。
豚肉料理がウリと言う「ぽるこ」だけに、このグリルのほかにも、たとえば岩中豚のLボーンステーキだったり、イベリコ豚のグリルだったり、銘柄も調理法もバリエーション豊かでメニューのチョイスに悩んでしまいます。嬉しい楽しい悩みですね。
この夜は豚肉のウマさをストレートに楽しみたかったのでシンプルなグリルをチョイスしたのですが、このチョイス、大正解でした。
青森県の西部に位置する鰺ヶ沢町の「長谷川自然牧場」が生産する「長谷川熟成豚」は、通常より長い時間を掛けて肥育されることでより甘くより柔らかな味わいの肉質を持つそうですが、確かに頂いてみるとすっきりとした風味のなかにどっしりとした脂の甘さが感じられる上質の豚肉でした。
この日は雲丹を使った濃厚なパスタをチョイス。
これはパスタに限った話ではありませんが、頂いた料理はいずれもウマさのどストライク、って感じなんですよね。奇を衒ったりサプライズを求めたり、と言った要素はありませんが、ブレなくウマい王道の味。
日常使いするイタリアンってこう言う料理で良い…と言うか、こう言う料理が良いですね。
〆めのパスタまで頂いて腹いっぱい。
最近外食する機会がめっきり減ってしまい、こんなに腹いっぱいになるまで夕飯を食べるなんて久しぶりでした。
腹いっぱい…なのですがせっかくなのでドルチェも頂きました。
ドルチェも素朴なビジュアルなのですが、ほっこりしてしまうウマさでした。
店内が狭く席数も限られていますのでふらりと訪問するのはちょっと難しいのですが、席が空いてさえすれば躊躇なく入店することをオススメします。
今回は頂かなかったのですが内臓料理のメニューも豊富なので、次回訪問する際には試してみたいと思います。
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・店名 ぽるこ
・住所 東京都品川区東五反田2丁目9-7
ピロティ五反田 1階
・電話 03-6753-6472
・備考 特になし。
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この日は訳あって平日の田町へ。
芝浦公園の紅梅もちょうど見ごろ。もうすっかり春ですね。
平日の昼どきの田町で何を食べるか。
選択肢が多すぎて悩みます。
はたまたオシャレにプルマンのダイニングでランチってのも有りだし、一度は行ってみたい名店「リストランテ ラ チャウ」なんてのもステキだし。ランチならそこまで高くないよね?
そうだ。もう一軒、行きたい店が有ったんだ。
それがこちら。
「トンカツX」。
田町駅前の再開発の中心となる「Msb Tamachi 田町ステーションタワーN」の1階だけあって、昼どきの店内は近隣のオフィスのビジネスパーソンたちで満席、さらに5人ほどのウェイティング。
とんかつの匂いを楽しみつつ待ちましょうか。
「トンカツX」と聞いてとんかつ好き、肉好きの方ならピンと来るかもしれませんが、「トンカツX」の「X」は東京都が開発したプレミアムポーク「トウキョウX」の「X」。
「トンカツX」は「トウキョウX」を扱うミートパッカー業者である株式会社ミート・コンパニオンが経営母体と言うこともこの店に興味を持った理由なのですが、ぼくが訪問したいと思った理由はそれとは別にもうひとつ有ったのです。
それは「トンカツX」の料理が宮前平の名店「とんかつ しお田」の監修によるものと聞いたからなのです。
「とんかつ しお田」、前から一度行きたいと思っていたのですが、用事が無いとなかなか行かないエリアゆえ訪問の機会が無かったのです。
その「しお田」の味わいのエッセンスが楽しめるのではと期待したってわけです。
さて、この日の料理ですが…。
ランチタイムの主力は「トウキョウX」ではなく「弓豚SPF」を使った定食。
ランチタイムでも「トウキョウX」を使ったとんかつをオーダできるらしいのですが、そのお値段は4,000円ほど。
率直に申し上げますと、とんかつに4,000円、ぼくにはちょっと高いように感じます。
とんかつってぼくにとっては手軽に食べられるちょっとしたごちそうと言うポジションなんですね。
それこそ4,000円出すなら「ラ チャウ」でランチコースが食べられてお釣りが来ちゃうし(誤解なきように申し添えますと、ぼくは料理に貴賎なしと信じていて、イタリアンがエラくてとんかつがエラくないなんて言うつもりはまったくありませんよ)。
そんなわけで、ぼくのチョイスはこちら。
200グラムのトンカツは厚みこそ標準的ですが、そのぶん面積的にはなかなかのインパクト。
断面はこんな感じ。
肉質は…うーん。ご覧頂いた通り。ちょっと期待はずれかな。
それよりも気になったのは衣。
ザクザクっとした力強さは好みなのですが、まず油切れが悪くて重たすぎる。そして箸で持ち上げようとすると衣がぽろぽろと剥がれてしまいます。
訪問したあとで某大手グルメサイトでレビューを読んだのですが、多くのかたがこの衣の剥がれは指摘されていますね。
揚げ油には「トウキョウX」のラードも使われているとのことで、その力強い香りが最初のひと切れ、ふた切れくらいは好ましく感じるのですが、いかんせん油をじっとりと吸い込んだ重たい衣のとんかつを食べているとその香りがトゥーマッチになってきます。
残念ながら「とんかつ しお田」監修の恩恵はあまり感じられず、お値段なりの満足感は得られず、でした。
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・店名 トンカツX
・住所 東京都東京都港区芝浦3-1-1
msb Tamachi 田町ステーションタワーN 1階
・電話 03-6435-2904
・備考 特になし。
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この日は麻布に所用があり、ちょうど昼どきだったので麻布十番で昼食を頂くことにしたのです。
新一の橋交差点で悩むことしばし。
どちらも悪くない。実に悪くない。
いやしかし、そう言えば目の前にある「麻布永坂 更科本店」。
この前を何百回も通っているけど、一度も暖簾をくぐったことがなかったのでした。
たまにはさっぱりと蕎麦なんてのも悪くないですね。
入口には英語のメニューもあったりして。
さすがインターナショナルタウンのアザブジュバーン。
「ざる」には"Oseiro garnished with roasted, shredded laver to bring out the flavor"って書いてあります。
「海苔」って"lavor"と言うのですね。
非常にややこしいのですが、麻布十番には「更科」を名乗る蕎麦屋が3軒あります。
「総本家」やら「本店」やら、どれが本家なのか、どれが正統なのか、訳がわかりませんね。
麻布十番にある「更科」の始祖は江戸時代に麻布永坂で堀井清助と言うひとが興した「信州更科蕎麦所 布屋太兵衛」なのですが、こちらは昭和初期にいちど廃業。
戦後の昭和23年にまず「1」が「永坂更科本店」と言う店名で馬場繁太郎と言うかたの手により開業。
昭和24年には「2」が「麻布永坂更科 総本店」と言う店名で堀井家により開業。
この「1」と「2」の間で商号の使用権について訴訟となったりしたのちに、堀井家の八代目となる堀井良造により昭和59年に開業したのが「3」。
こちらは「信州更科 布屋総本家」と言う名称でしたが、「布屋」の名称の使用可否について訴訟となり、現在は「総本家 更科堀井」と言う名称となっています。
この3店舗のうち、ぼくがガキのころから通っていたのが「2」の「永坂更科 布屋太兵衛」で、いちばん馴染みが有るのですが、最近はちょっとその味わいが落ちているような気がします。
「3」の「総本家 更科堀井」も数回訪問したことがありまして、蕎麦のクオリティ的には」こちらのほうが断然良かった記憶が有ります。
で、この日訪れたのが初訪問となる「1」の「麻布永坂 更科本店」って訳です。
この日は天ぷらと蕎麦を頂くことにしました
天ぷらと蕎麦の組合せは4種類有ります。
日本語のお品書きにはいっさい解説が有りませんので、英語版のメニューから転載しますと…。
「もり」:
"Machine-cut soba noodles"
「せいろ」:
"Soba noodles freshly hand-cut each day by our expert chefs"
「御膳」:
"Snow-white, thin-cut soba noodles made using refined buckwheat"
「ざる」:
"Oseiro garnished with roasted, shredded laver to bring out the flavor”
「御膳蕎麦」(他店では「御前蕎麦」と表記)は、蕎麦の実の甘皮を取り除き、中心部分からごくわずかに採れる御前粉を使用した蕎麦。こちらが更科系の蕎麦の代名詞でしょうか。
上品ではありますが蕎麦らしい香りと言う面で劣りますので、あえて「御膳」を外して「せいろ」を頂きました。
蕎麦の前に熱々の天ぷらを頂きましょうか。
なかなかの大きさの海老が2尾。
海老はレア感を残したちょうど良い頃合いの揚がり具合。
そのあたりは良いのですが、衣がいわゆる「花揚げ」なので、ちょっと衣の存在感が強すぎるような気がします。もちろん天丼などで頂くならこれで良いのですが。
蕎麦はさほど主張が強い部類ではありませんが、コシの強さが印象に残ります。
このハリの有る食感、けっこう好きです。
喉ごしもよく、風味もまずまず。
老舗らしく手堅く安心感有る味わいでしょうか。
お値段は2,500円オーバとちょっとお高い印象もありますが、麻布十番と言う場所を考えればまあまあ納得感の有るお会計でしょうか。
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・店名 麻布永坂 更科本店
・住所 東京都港区麻布十番1-2-7
ラフィネ麻布十番 1階
・電話 03-3584-9410
・備考 特になし。
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本日は29…にくの日にふさわしいブログでもいってみましょうか。
昨年2021年10月にオープンするや、マスコミなどでも大々的に取り上げられて一瞬で予約の取れないレストランになってしまった「ピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京」。
生来のあまのじゃくなので、話題のレストラン、下世話な言い方ですと「いま行っておくとちょっと自慢できるレストラン」みたいな店に行くことは稀で、この「ピーター・ルーガー」もぼく的には縁遠いレストランだと思っていたのですが、自粛生活であまりにもやることが無かったので、ついついホームページの予約システムを確認してしまったのです。
噂通り数ヶ月先まですべてのテーブルが埋まっているのを確認して一度はそっとホームページを閉じたのですが、日を改めて何度かチャレンジすると、瞬間的にポツポツとキャンセルが出ていることを発見。
そりゃ、数ヶ月先の予約日なんて、どんなスケジュールが被るかわからないもんねえ。
そんなわけで思ったより早めに予約が取れてしまったので、この日は仕事もきっかり18時で切上げ恵比寿に向かったのでした。
恵比寿駅東口から動く歩道で恵比寿ガーデンプレイス方面に出て、日仏会館方面に歩くと…お!見えてきましたピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京。
ここ、もともとは「MLB café TOKYO 恵比寿店」が有った場所ですね。
外観はもともとの建物に少し手直しした程度ですが、なかなかゴージャスで雰囲気が有ります。
こんな異国情緒のある建物が街並みに違和感なく溶け込んでいるところはさすが恵比寿。
初心者なのでエントランスを間違えました。
道路に面しているこちらの出入口はショップの入口でした。
レストランのエントランスは中庭に面したこちらでした。
うーん、素敵。
レストラン好き、にく好きのかたには説明不要と思いますがピーター・ルーガーはニューヨーク、マンハッタンで130年の歴史を誇る老舗ステーキハウス。
その超名門ステーキハウスが初の海外出店に選んだのがここ東京。なんだそうです。
ちなみに日本での運営会社は「ロウリーズ・ザ・プライムリブ」などで知られる株式会社ワンダーテーブルです。
ぼくたちが案内されたメインダイニングは2階。
メインダイニングの天井は3階まで吹き抜けになっていて、その3階は2階のダイニングを見下ろせる「劇場型」のレイアウト。非日常感の有る素晴らしい空間です。
細かいことですが椅子の掛け心地も素晴らしい。
ステーキハウスの定番と言えばサーロインとフィレを両方楽しめる骨つきのステーキ、いわゆる「Tボーンステーキ」ってやつですよね。
このTボーンステーキと言うスタイルをアメリカで最初に広めたのがピーター・ルーガー。
ピーター・ルーガーのTボーンステーキはひとり当たりのボリュームを約300gとして3種類の大きさから選ぶことができます。
ひとり当たりのお値段に換算しますと…。
となります。どれを選んでもそんなに変わらないですね。
天下のピーター・ルーガーでこんなみみっちい計算をしているのはぼくくらいだと思いますが(笑)。
Tボーンステーキですとサーロインとフィレ、赤身がちの部位になりますが、もう少しパワフルな部位ですと「リブアイステーキ」も用意されていて、こちらはだいたい500gで18,000円。
この日はボリュームもまあまあ行ける男子4人組での訪問だったので「Steak for Three」と「Rib Steak」と言うコンビネーションで攻めることにしました。
900g+500g=1,400g。ひとり当たり350gと言う計算です。
ピーター・ルーガー・ステーキハウス 東京のメニューはニューヨークの本店のものに忠実に倣っていて、前菜のラインナップはシンプル。
サラダ類、ジャンボシュリンプカクテル、ラムチョップと言ったところでしょうか。今回はステーキをおいしく頂くために前菜はあっさりめで。
ボリュームは4名でシェアしてもたっぷり。
酸味の強いはっきりとした味わいです。
シーザーサラダを食べ終えるや否やすぐに香ばしい香りと共にメインディッシュが登場。
サイドディッシュは2種類。
ピーター・ルーガーのステーキはいちどブロイラーと呼ばれる直火オーブンに入れて500度の高温で外側をしっかり焼き、その後肉をカットし溶かしたバターと共に皿に乗せたまま再びブロイラーに入れ、数分間焼いた後にその皿でテーブルにサーブされます。なので、皿の縁まで飛び散った油の焦げ跡が有りますね。
こちらはリブアイステーキ。
Tボーンステーキもリブアイステーキも焼き加減はミディアムレアでお願いしたのですが、リブアイステーキのほうがレア感が強いですね。と言うか、こちらが本来のミディアムレアかな。
テーブルにサーブされたステーキはスタッフの手によって皿の縁で少しだけ熱を加え、ひとりひとりの皿へ。
左手がリブアイ、右手がサーロイン、サーロインに隠れていますが、奥がフィレ。となります。
まずはサーロインからひと口。
…。
…。
うーん。こんなものか?
もしかしたらぼく自身の体調が悪いとか、このご時世ですし、そう言うこともあるかもしれません。
若干心配になったのでグルメな友人に感想を求めると、感想は…店を出たら言います、と微妙な表情。
まずサーロインですが、肉質は詰まっており固め。
ピーター・ルーガーのステーキは、店舗1階の熟成庫で28日以上のドライエイジングを掛けているそうですが、ドライエイジングゆえの肉質の凝縮感は確かに有るのかもしれません。
しかし、それであれば肉自体の旨味もギュッと凝縮されているはずですが、その肝心の旨味の凝縮感が感じられない。
そして熟成香に関しては「雑味を感じる不要な熟成臭」はカットするのがピーター・ルーガー流とありますが、香りも乏しく、ウリであるはずの熟成の恩恵を感じられなかったと言うのが本音です。
フィレのほうがもちろん肉質はしなやかですが、味わいについての傾向はサーロインと同じです。
火入れについてはTボーンステーキは少し強すぎだったかもしれません。
断面を見て頂くとおわかりのように、ミディアムレアではなく、ミディアム〜ミディアムウェルと言った感じです。
救いだったのはお値段が安いリブアイがまずまず悪くなかったこと。
リブアイのほうが味わい、香りともに豊かでした。
この日訪問したメンバーのなかのひとりはアメリカで有名どころのステーキハウスを歴訪している猛者なのですが、食後感はぼくと似たり寄ったり。でした。
そんなぼくたちは、満席続きでエイジングが足りていない、食品流通の混乱で本来調達したいレベルのプライムビーフが入手できていない、焼き手の経験不足、と言った仮説を打ち立てたのですが、後日、業界のかたにこの日の憤懣をぶちまけたところ(笑)、そのかた曰く、日本の気候に合わせたエイジング設備、エイジング手法の合わせこみが完全にできていないのではないかな、と言う意見を述べておられました。
ちなみに2種類オーダしたサイドディッシュは悪くなかったです。
ソテーにしたブロッコリも後をひく味わいでしたし、クリームを使わず澄ましバターで仕上げる「クリームドスピナッチ」(ほうれん草)もまずまず。
気を取り直してデザートです。もう腹いっぱいですけど。
デザートは3種類を4名でシェア。
ケーキ類にはたっぷりのクリーム。アメリカンですねえ。
こんなビジュアルですし大味なイメージがあるじゃないですか?
でも、デザートはいずれも上等。
もちろんアメリカンスタイルの重量感たっぷりの甘さなんですが、品のある甘さで腹いっぱいにもかかわらずおいしく頂きました。
前菜も上等、サイドディッシュもまずまず、デザートも良かった。言うまでもなく雰囲気は最高。
つまり、ステーキ以外はけっこう良いです(笑)。
あとはサービススタッフ。
若いスタッフが多くフレンドリーなところは良いのですが、とても客単価2万円オーバのレストランのサービスとは思えない大味具合。でした。
会話を遮ってまでポイントサービス(そんなものが有るのですよ)への登録をリクエストされたり、ね。
高級店なら高級店らしい格調のあるサービスをお願いしたいものです。
こちらの期待値が高すぎたせいかだいぶがっかりしてレストランを後にしたのですが、別の日に訪問した友人によると、その日のTボーンステーキはかなり良かったとのこと。
タイミングが悪かったのか、それとも重要顧客とは認められず良い部位が出てこなかったのか、真相は闇のなかですが、今回の料理がピーター・ルーガーの本来の実力とも思えません。
料理のクオリティやオペレーションが落ち着いた頃にもう一度訪問したいですね。
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・住所 東京都渋谷区恵比寿4-19-19
・電話 050-3311-3744
・備考 特になし。
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またぞろ「まん延防止等重点措置」なんかが発令されてしまいなんとも冴えない新春ですが、本年もぼちぼち食べもの日記をアップしていきたいと思います。
2021年の年の瀬も迫ったこの日は、ひさしぶりに田町の「焼肉赤身にくがとう33895 田町・三田店」を訪問。
「焼肉赤身にくがとう33895 田町・三田店」は2014年に人形町にオープンするや、またたく間に東京でも屈指の人気焼肉レストランとなった「焼肉赤身にくがとう」の支店。
この日は「肉風呂VIPルーム」なる個室をお借りしての貸切焼肉会。
壁面の富士山は日本に3人しか存在しないと言う銭湯絵師のひとり、田中みずき氏が手がけたものだそうです。
この日の料理はおまかせのVIPコースでお願いしてみました。
それではさっそく肉ざんまいのVIPコース、ご紹介してきましょう。
【前菜】
【刺身】
この日のハツはたまり醤油漬け。たまり醤油の香りがハツの風味を引き立たせます。
【握り】
うっすらと赤みを帯びたレア気味の握り。食欲をそそるビジュアルです。
粒の生胡椒も良いアクセントになっています。
【逸品】
「ツラミ」は「面(ツラ)の身」、頬のあたりの部位ですね。
中華風に仕立ててあるのがユニークですね。
焼きものはまずはこちらから。
【焼肉】
タンは毎度ながら素晴らしい厚みが目を惹きます。
これを外側にカリッと焼き目が付くくらい炙ってから頂くと…中からはジュワッと肉汁が溢れ上等なタンの香りを堪能できます。実に上等なタンです。
ハツもハツらしい味わいと香りが濃厚でいながら雑味なくスッキリとした風味。
そしてハラミ。
ひと目見てそのクオリティを確信できるような美しいハラミは、ハラミならではの旨味の濃さに加え、きめ細かく入ったサシによる芳醇な香りも有り、絶品。
こう言うハラミを食べてしまうと、普通のハラミでは満足できなくなってしまうのが困るんですよね(笑)。
この3種をずっとリピートして食べていたいくらいですが、コースはまだまだ序盤。
【特選ホルモン】
ミノはレモンの風味でさっぱりと頂きます。
【特選肉】
もう、見るからにウマそうなカルビ。
サシはたっぷりと入っていますが、頂いてみるとこれが実に上品なサシの風味。
香り高く、それでいて必要以上に重くないサシのウマさ。
そしてミートオンザライス。
そうそうこれこれ。ウマい焼肉にウマいご飯。最高ですね。
【箸休め】
箸休めはかわいらしい牛さんのサラダ。
【名物】
後半は名物料理が続きます。
まずは大判のイチボをすき焼き風にして頂きます。こちらはサッと手際よく炙ることが肝要なので、スタッフが1枚ずつ焼いてくれます。
焼き上がりをくるくるっと丸めて溶き卵に沈めて頂きます。
甘辛いたれに卵が絡み食欲をそそる風味ですね。
名物のふた品目は「和牛赤身ロック」。
こちらもスタッフがガーリックバター醤油に何度もつけ焼きしながら仕上げます。
たれが炭火で燻されることで肉が香ばしく焼き上がります。
そしてこちらを焼肉をおいしく頂くためにブレンドされたと言う「焼肉専用米」に乗せて頂きます。
「焼肉専用米」なんて、ずいぶん大げさな、って思うじゃないですか。
いや、ぼくも実は一瞬そう思ったんですよ。
しかしひと口このご飯を頂いてびっくり。
焼肉の香りに負けない甘く華やかなご飯の香りは「焼肉専用米」を名乗るにふさわしいクオリティ。
このご飯でたらふく焼肉食べたい。
先ほどの卵を掛けてTKGバージョンも良いですね。
【焼肉】
最後は希少部位のフンドシと味噌だれのホルモンとなります。
【〆物】
この日はさっぱりとした豆乳仕立ての冷麺。
腹いっぱい焼肉を食べたはずですがスッと胃の中に収まる滋味深い味わいでした。
デザートにプリン風味のかき氷も頂き焼肉VIPコース、完成。
肉に対するこだわりに満ちたハイレベルな焼肉にこの日も大満足。
肉を喰らう楽しさを再発見できる至福の焼肉コース、焼肉好きのかたにぜひオススメしたいですね。
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・住所 東京都港区芝5-12-7
カゾール三田 1階
・電話 03-6435-2983
・備考 予約はお早めに。
・参考記事 2019年12月03日「田町 焼肉にくがとう33895 田町・三田店」
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土曜日はちょっとした用事で秋葉原へ。
ちょうど昼どきだったので、少し足を延ばして上野広小路まで昼食に出かけたのでした。
ぼくのなかで上野広小路グルメと言えばまずはとんかつ。
ぼくはとんかつと言う料理が大好きなのですが、その原点とも言えるとんかつ屋さんが上野広小路の「井泉」。
亡くなったぼくの父親もとんかつが好きだったのですが、その父親が連れて行ってくれたのが「井泉」だったのです。
とんかつ自体の味わいもさることながら、下町の老舗情緒に溢れる店構え、店内の雰囲気、あれがいいんですよね。
そしてとんかつ好きの父親が良く言っていたのが、御徒町には「井泉」のほかに「蓬莱屋」と言うとんかつ屋があって、ちょっと高いんだけどそこのひれかつもウマいんだよな、と言うことでした。
そのことばがずっと印象に残っていて、「蓬莱屋」にもいつか行きたいいつか行きたいと思ってはいたのですが、上野広小路に来るとついつい足は「井泉」のほうに向かってしまって、結局ずっと行けずじまいだったのです。
そしてようやくこの日は意を決して「蓬莱屋」へ。
それにしてもどうですこの店構え。昭和の風景って感じがたまりません。
そう言えば映画監督の小津安二郎氏も「蓬莱屋」のファンだったそうですが、いかにも小津安二郎氏が好みそうな風景です。
暖簾をくぐり引き戸を開けるとそこはすぐ鉤の手になったカウンター席。こぢんまりした店内です。
13時過ぎですが土曜日のせいでしょうか、かなりの混み具合です。
お品書きはいたってシンプルで、ひれかつ(3,300円・税込)、一口かつ(3,300円・税込)、串かつ(2,200円・税込)、そして一口かつと串かつを御膳にした「東京物語御膳」(2,800円・税込)の4種類。
お品書きにロースかつが無いとんかつ屋さん、珍しいですよね。
なにせ初訪問ですから、やはり看板メニューから行くべきですよね。
「蓬莱屋」のとんかつは低温の油でゆっくり揚げていくタイプ。なので、注文してから少し待つことになります。
老舗のカウンターでのんびりととんかつの揚がりを待つのもなかなか乙な時間です。
待つこと20分くらいでしょうか、ついにひれかつとご対面。低温で揚げられていますが、いちど高温で衣に焼き色を付けていますので、思いのほかカラリとした衣です。
肉質自体はひれと言うこともありますが、主張が無く非常にあっさりとした味わいです。
ジューシーではありますが、豚肉ならではの力強さ、香りと言った点ではちょっと物足りなさを感じるかもしれません。
しかし、衣が薄づきであることも相まって、とんかつ自体の印象はとにかく軽やか。
かなりのご高齢のご夫妻もカウンターでひれかつを楽しんでいらっしゃいましたが、このひれかつなら確かに油の重さをまったく感じません。
そしてひとつ付け加えたいのがご飯と味噌汁のウマさ。
ご飯はひと粒ひと粒が立っていてぼく好みの炊き加減。
最近は炭水化物を減らしているのでお代わりはご法度と自分に言い聞かせているのですが、この日は禁を破ってお代わりを頂いてしまいました。
味噌汁も味噌の香りが良く実に上等。
とんかつに3,300円、高いと言えば高いのですが、老舗ならではの空気感、雰囲気も含めた値付けと捉えるならば納得感は有ります。
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・店名 蓬莱屋
・住所 東京都台東区上野3-28-5
・電話 03-3831-5783
・備考 特になし。
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この日は忘年会第1弾と言うことでグルメな友人たちとちょっと豪華なランチを食べに出かけたのでした。
麻布の実力派フレンチ「ラ・リューン」。
「銀座はち巻岡田の鮟鱇鍋を食べないと冬が来ない」と書いたのは直木賞作家で食通の山口瞳氏でしたが、ぼくの友人は「ラ・リューンのジビエを食べないと冬が来ない」と言います。
そう言えば前回「ラ・リューン」を訪問したのも冬でした。
ランチはmenuA(4,950円)とmenuB(7,700円)の2種類なのですが、この日はmenuBをベースとして、前菜にシェフのスペシャリテ、メインディッシュにジビエを入れて少しカスタマイズして頂きました。
前菜の前に「突出し」と紹介されたのがこちら。箸で頂きます。
わかさぎのフリット、イタリアのサラミ、ピクルスとパルミジャーノレッジャーノ。
これ、呑兵衛にはたまらないセット(笑)。
前菜のひと皿目は本来はmenuBには入っていない永田敬一郎シェフのスペシャリテ。
魚介と野菜、コンソメジュレと言うコンビネーションはほかのレストランでも見かけますが、こちらでは茄子を使っているところがユニークですね。
雲丹の濃厚な甘さと優しいカボチャの甘さ。そしてすっきりと味を引き締めるライムの酸味。
いつ頂いてもスペシャリテと呼ぶにふさわしい完成度に感心します。
次のひと皿目が本来はコースのひと皿目の前菜。
赤で統一された鮮やかな色彩に目を奪われるひと皿、艶やかなジュレに透けて見えるのは牡丹海老。
牡丹海老の持つ素材の甘さとビーツの淡い甘さ、そしてフランボワーズの華やかな香りのコンビネーションがユニーク。
可憐なビジュアルのひと皿の次は一転してクラシカルな趣の有るフォアグラのポワレ。
シードルビネガーの爽やかな酸味がフォアグラの重量感ある風味と栗の滋味深い甘さを引き立たせます。
そしてお待ちかねの肉料理。
menuBの本来の肉料理は岩手産の短角牛のポワレ。
そちらも捨てがたいのですが、本日はジビエに変更しました。
「ラ・リューンのジビエを食べないと冬が来ない」ですからね(笑)。
この日の蝦夷鹿のポワレには「シンタマ(芯玉)」と呼ばれるもも肉の部位が使われていました。
そして蝦夷鹿の上には牡蠣、ピエブルー(紫しめじ)、タルティーボと言うコンビネーション。
蝦夷鹿のシンタマはしっとりと繊細な食感でした。
味わいもあっさりすっきりとしたものなので、ジビエらしい力強さを期待すると肩すかしを喰らいますが、先入観なく頂くのであれば実に上品で洗練された味わいを楽しむことができます。
ソースは鹿肉には定番の、胡椒の風味を効かせたポワブラードですが、そこにはふんだんにトリュフが投入されていてリッチな風味を加えています。
充実したランチの最後を飾るデセールがこちら。
このモンブランが絶品でした。
正直、モンブランってそんなに好んで頂くガトーではないのです。栗のペーストがもそもそしていたり、甘さが重すぎたり、モンブラン全般にあまり洗練された印象を持っていなかったのがその理由です。
しかしこのモンブランの完成度には脱帽。
滑らかで栗の風味をしっかりと残しながらもスッキリとした甘さに抑えられたマロンペーストに、軽やかなメレンゲ。かように洗練されたモンブラン、初めて頂きました。
すばらしいコースに本日も大満足でした。
ひと皿ひと皿の料理から食材に対する深い洞察が感じられる点も「ラ・リューン」の美点でしょうか。
一例を挙げると、たとえば牡丹海老を使った前菜。
単にビジュアルのインパクトを狙って赤い素材を組み合せているのではなく、そこには同色系統の食材同士は相性が良いのではないか、と言う永田敬一郎シェフ独自のインサイトが込められているそうです。
確かな技術に裏付けられた芳醇な味わいが楽しめる麻布の佳店です。
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・店名 ラ・リューン
・住所 東京都港区東麻布2-26-16
・電話 03-3589-2005
・備考 麻布の良心。
・参考記事 2020年12月21日「東麻布 ラ・リューン」
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この日は丸の内でちょっとした買物を済ませてから、人づてに評判を聞いて行ってみたかったスリランカ料理レストランを訪問。
訪れたのは五反田。
五反田駅西口を出て、目黒川に沿って目黒方面へ。
「ミート矢澤」の前を通り過ぎて首都高目黒線にぶつかって右折すると、鼻腔をくすぐる異国の香り。
看板を確認するまでもなく、ここがお目当のレストランであることがわかりました。
看板には「スリランカ食堂」、「Maido ohkini Sri Lanka Syokudou」と書かれていますが、正式な店名は「アラリヤランカ」と言います。
店頭にメニューが貼り出されていたので入店前にチェック。
お。これこれ。「ランプライス」。
今日の目的はこの「ランプライス」なる料理を頂くことなのです。
ランプライスの前にひと品。
スリランカ風チョップドサラダと言った趣のサラダです。
シンプルですがほどよくスパイスの風味がアクセントになっていてなかなか良いです。
ただ思いっきり生の玉ねぎが投入されているので、玉ねぎの辛味で胃がひりひりします。
そしてこちらが「ランプライス」。です。
そもそも「ランプライス」とはなんぞや?と言う話なんですが、「ランプライス」は「Lamprais」と綴り、Wikipediaを読みますとこのように書かれています。
Lamprais (English: Lumprice) is a Sri Lankan dish that was introduced by the country's Dutch Burgher population.
Lamprais is an Anglicised derivative of the Dutch word lomprijst, which loosely translated means a packet or lump of rice.
ランプライス(英語:Lumprice)は、スリランカの料理で、オランダ人のバーグラー族が広めたものです。
ランプライスは、オランダ語の「lomprijst」を英語化したもので、大まかには「米の包み」という意味です。(DeepLにて翻訳)
インターネットで検索しますとどうやらスリランカに古来から伝わる料理ではなく、スリランカがオランダの植民地であった16世紀ごろに生まれた料理のようですね。
伝統的なレシピですと、ビーフ、ポーク、チキンの3種類の肉のカレー、野菜、ゆでたまごなどをライスとともにバナナの葉で包みオーブンで熱して食べるようですが、現代では肉が1種類になっていたりとさまざまなアレンジがなされているみたいです。
熱々のバナナリーフを開梱するとこんな感じ。
湯気とともに立ち上るバナナリーフの香り、スパイスの香り、ココナッツの香り。
イエローライスの上には具材がたっぷり。
チキン、ココナッツサンボール(ココナッツを使ったふりかけ)、ナスモージュ(玉葱の煮込み)、じゃがいものスパイス炒め、そして真ん中にゆでたまご。
とにかくライスも、ひとつひとつの具材もみんなたっぷり。
果たしてこれはひとりで平らげるべきボリュームなのか一瞬悩みましたが、ウマいのですべて頂きました。
ちなみにいちばん気に入ったのはじゃがいもでした。これだけ単品で欲しいくらい。
けっこうなボリュームをひとりで頂いてしまったのですが、油分の少なさと程よいスパイス感のおかげでしょうか、さらっと食べられて、後から胃にもたれる感じもしません。
ランプライス、初めて頂きましたが、ちょっと癖になりそうな味わいでした。
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・店名 アラリヤランカ
・住所 東京都品川区西五反田2-12-15
五反田リーラハイタウン 1階
・電話 03-6885-5851
・備考 特になし。
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この日はちょっとした記念でたまには豪勢なランチを食べようと言うことになったのです。
食事のあとは新宿に用事があり、そのため新宿付近でレストランを探したのですが、これが意外に難問。
そう言えば「ミッシェル・トロワグロ」があるじゃん。と思って調べてみたらなんと一昨年末に閉店しちゃっていたのですね。残念。
そうだ、新宿に限定するから選択肢が少ないんだな。代々木まで候補を広げると…あるじゃないですか。
あの名店が。
そんなわけで訪問したのは「レストランキノシタ」。
ずっと前からいちどは訪問したいと思っていたのですが、代々木と言うロケーションがぼくの行動範囲から外れていることや、人気のあまり予約が取りづらいこと、あと、木下和彦シェフ、ちょっと怖そうだし…って感じで、この日まで訪問がかなわなかったレストランです。
ランチは2,500円、4,000円、5,300円、そして8,500円と4種類のコースとなります。
この日はちょっとしたお祝いですし、せっかくなので8,500円のMenu Cをチョイスしてみました。
アミューズは烏賊と米と使ったコロッケ。
フレンチの前菜でこの「アツアツ感」。新鮮ですね。
いきなりのジャブにコースへの期待が高まります。
前菜のトップを飾るのは北海道産のオイスター。
オイスターの身の下にはオイスターを使ったクリームを敷き詰め、海水のジュレを掛けてあります。
こちらはフランス産の兎、フォアグラ、プラムを使ったテリーヌ。
兎の肉の食感、そして滑らかなフォアグラの食感。対比が鮮やかです。
プラムのふくよかな甘さもアクセントとして効いています。
これ、とても好きなタイプの前菜です。
蛸の名産地と言えば西は明石、東は佐島。
こちらは神奈川県横須賀市の佐島の蛸を使ったひと品。
ちゃんと自分の店で蛸を茹で上げるような鮨屋(だいたいは高級店ですよね)で蛸を頂くと、蛸自体の持つ味わいの濃さに驚くことがあります。
この蛸も蛸自体の味わいの深みに驚きます。
アスパラガスやブロッコリなどのみずみずしい味わいと香りにバジルの芳香が絡み合い鮮烈な印象を残すひと皿です。
そしてブーダンノワール。
ひさしぶりにブーダンノワールを頂きました。
ブーダンノワールはフランスの伝統的なシャルキュトリの一種で、豚の血を使ったソーセージです。
豚の血と聞くとちょっと身構えてしまいますが、上手に作られたブーダンノワールは癖なくそれでいてコクのある味わいを持っています。
近年は豚の血の流通量も少ないらしく「レストランキノシタ」ではフランスから取り寄せたものを使っているとのことでした。
もともとは屠った豚をあますところなく利用しようと言う生活の知恵、と言った類の料理だと思うのですが、こうなるともはや高級料理、珍味の趣ですね。
こころして頂きましょう(笑)。
「レストランキノシタ」のブーダンノワールはパイ包みにし、定番のりんごのピュレに軽くシナモンを振って添えてあります。そしてガルニチュールには洋梨と柿。
ブーダンノワールのコクに果実の甘みが絡み合い、濃厚でどっしりとした風味です。
とても洗練されたブーダンノワール。
次の料理は魚介を使ったひと皿。なのですが、一般的なフレンチのフルコースのポワソンとはだいぶ趣の違うスタイルです。
ご覧の通り、意表を突くパスタ仕立てのポワソン。
いくらや甘海老、雲丹などの魚介をふんだんにあしらったカッペリーニは、魚介自体のウマさがシンプルにストレートに表現されたさわやかなひと皿。
濃厚なブーダンノワールからの、この落差。でも、単にひとを驚かせるだけではなく、ちゃんと料理としてウマいのだから始末に負えない(笑)。
フレンチの文法からしたら「破格」となりそうな料理ですが、この自由さも「レストランキノシタ」の大きな魅力なのでしょうね、きっと。
そして肉料理は蝦夷鹿ロースのロースト。
予約の際に、おまかせであってもメインディッシュについては好みを聞いて食材をアレンジして頂けると聞いていたのですが、当日食材を確認したところ蝦夷鹿とのこと。
ぼくも、この日の同行者も鹿は大好物。一も二もなくここはもう、蝦夷鹿一択ですよね。
この時期の鹿だからでしょうか、それとも部位のせいでしょうか、ひと口頂いてその味わいの爽やかさにびっくり。
鹿は冬にウマいと言うイメージだったのですが、この時期の鹿がこれほどまでにウマいとは。
ぼく自身は夏鹿はあまり食した記憶がないのですが、鹿好きの同行者曰く、味わいは夏鹿のそれと申しておりました。
濃厚なブーダンノワール〜爽やかな魚介のカッペリーニと言う、振れ幅の大きなコースの流れを、格調高い肉料理でしっかりとフレンチの王道に戻すあたり、手練れの木下和彦シェフの面目躍如と言ったところでしょうか。
実に良いメインディッシュでした。
上等なメインディッシュの余韻に浸りながら頂くアヴァンデセールは洋梨とカシスのグラニテ。
デセールはフォンダンショコラとピスターシュのアイスクリーム。
リッチなショコラの味わいで至福のランチは完成。
フレンチってぼくたち日本人にとっては「ハレの日」のための料理と言う面が大きいですよね。
ですから、ビジュアルの美しさだったり、驚きのあるプレゼンテーションだっとりと言う要素ももちろん大切なのですが、やはり料理の本質は食べてナンボだと思うのです。
ビジュアルの洗練と、頂いたときのしっかりとした力感。その両面があってこそのフレンチの楽しさだとぼくは思うのです。
初訪問の「レストランキノシタ」の料理は、ひと皿ひと皿の輪郭の太さと香りの高さが印象的で、フレンチを頂く楽しさに満ちていました。
充実のすばらしいランチでした。
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・店名 レストランキノシタ
・住所 東京都渋谷区代々木3-37-1
エステートビル 1階
・電話 03-3376-5336
・備考 特になし。
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先日の「荒木町たつや」に続き本格的な外食第2弾と言うことで、この夜は大崎へ。
訪問したのは「レストラン アロム」。
住所は品川区北品川。大崎駅から目黒川を渡り御殿山のふもとあたり、といったエリアです。
ガラス張りのファサードからは美しくワインボトルがディスプレイされたウォークインワインセラーが見え、とてもスタイリッシュな印象を受けますが、扉の横の飾り窓にはなぜかデザイン性皆無のフォントで「レストラン アロム」と印刷された「額」が掲げられています。
あとで知ったのですがワインセラー部はワインのインポータである株式会社ヴィノラムが経営するワインショップ「アロムヴェール」で、レストランはこのセラーを通った奥のスペース。
店舗の外には「アロムヴェール」の看板しか有りませんので、レストランの入口がわかりづらいゆえの「額」なんでしょうけど、それにしても、ねえ。
「レストラン アロム」はもともと神楽坂に有ったフレンチレストランで、経営母体は株式会社ヴィノラム。
この大崎の現在の店舗には2年ほど前に移転されたとのこと。
この大崎の店舗の場所には同じく株式会社ヴィノラムが経営する「ラ・クール・ド・コンマ」と言うフレンチレストランがあり、両者が入れ替わるかたちで移転したと言うわけですね。
ファサードは妙な「額」以外はスタイリッシュですが、インテリアはファミレスライクで(これはどうか毒舌と思わないで頂きたい。このレストランを訪問した別のかたのブログにもそのように書かれていました)、椅子についてはもしかしたらファミレスのほうが掛け心地が良いかもしれないってくらいの代物。
長時間腰掛けることになるのですから、飲食店にとって椅子ってとっても大事だと思うのですが、椅子のチョイスに手抜き、コストダウンが見えると残念な気持ちになります。
高けりゃ良いってものではないのですが、往々にして安モノの椅子は臀部から大腿部の面圧が適切に分散されず血行が悪くなったり腰に負担が掛かったりするのです。
…なんの話でしたっけ?
そうそう「レストラン アロム」のお話でした。
ぼくにとってはこの日が初訪問だったのですが、訪問前にちょっとインターネットで検索して驚いたのです。と言うのも、この「レストラン アロム」の支配人は岡部一己氏ではありませんか。
岡部氏の名前はフレンチ好きのかたなら一度や二度は聞いたことが有るかと思います。麹町の名店「オー グー ドゥ ジュール」のオーナにして支配人だったかた。日本一のサービスなんて言われていたかたですね。
しかしぼくは過去にちょっと因縁がありまして、もう20年近くも前のことですが、氏に直々にクレームをつけたことがあったのです。
その夜はぼくにとっては大事なお客様をもてなす席で、たしか「オー グー ドゥ ジュール」の初訪問日だったと記憶しています。
しかしその日は岡部氏にとってはもっと大事であろう常連客らしきテーブルがあり、かつ、ぼくたちのテーブルは割と下戸なメンバーが集まってしまったり(これはぼくのリサーチミスで、下戸なメンバーが多かったらもっと別のレストランのチョイスをすべきだったと思います)、そのうちのひとりが大遅刻すると言うアクシデントがあったりとして、氏としてもサービスするに値する客では無いと思われたのでしょう、ぼくたちのテーブルはほとんどほったらかされ、料理の説明も無く、まあまあヒドい扱いを受けたのでした。
で、翌日ぼくは氏に電話を掛け、30分ほどもネチネチとクレームを入れたのです。
確か「日本一のサービスだかなんだか知らねーけど天狗になってんだろ。初心を思い出したほうがいいぞ」みたいなことを言った記憶があります。
思い返すとぼくもまあまあヒドいこと言ってますよね(笑)。
だいぶイヤな感じだったと思います。
氏としてはおそらく、こいつメンドくさいから謝らないと何時間でも電話切らないぞ、と思ったのでしょうね、内心どう思われたかは知りませんが、いちおう形式上は謝罪してくれたので、ぼくもこの件については水に流すことにして、その後は日本橋の支店「オー グー ドゥ ジュール メルヴェイユ」をしばしば訪問したりしたものでした。
日本橋の「オー グー ドゥ ジュール メルヴェイユ」は現在「ラペ」の松本シェフが作る料理のクオリティが素晴らしく、とても良いレストランでした。
…とても良いレストラン「でした」?
そうなんです。
その後「オー グー ドゥ ジュール」グループは新丸ビルに支店を出したりと飛ぶ鳥も落とす勢いで業容を拡大していったのですが、吉兆創業者の湯木貞一氏の「料理屋と屏風は広げすぎると倒れる」と言うヤツでしょうか、2016年に経営破綻してしまいました(そのあたりの経緯はこちらに詳しく書かれています)。
そんな思い出のある岡部氏ですが、お目に掛かるのは実に十数年ぶり。
氏もいろいろたいへんな時期があったようですがお元気そうで安心しました。
この夜は全6品にワインがペアリングされた8,910円のディナーを頂きました。
まずはこちらから。
こちらはパルメザンチーズをクレームブリュレ風に仕立てたアミューズ。
パリッとカラメリゼされた表面をスプーンで割ると滑らかなテクスチャのチーズのクリーム。
鮮やかなジュレの赤はビーツの色。
ジュレの下には帆立貝と「リゾーニ」と言う米のような形をしたパスタ。ジュレに添えられたディルの香りのサワークリームがちょっとしたアクセントになっています。
イメージは「冷たいボルシチ」なんだそうです。
ビジュアル的にも楽しい前菜ですね。
「パンプ金時」と言うさつま芋を使ったポタージュ。
アクセントにはシナモンの香り。
メインディッシュのひと品目は明石産の真鯛をポワレに。ガルニチュールはまこもだけとロマネスコ。
しっとりと仕上げられた身には真鯛らしい味わいが上手に閉じ込めらていて、皮目の香ばしさと相まってこの真鯛のポワレはなかなかに上等なひと品でした。
肉のメインディッシュはフランス産の鴨胸肉のロースト。
こちらも上質なメインディッシュでしたが、鴨自体に関してはもう少し鴨らしい肉の力感が感じられると嬉しいですね。もっともこれは鴨の時季的な問題が大きな要因と思われますので、シェフの力量に帰すべき問題ではありません。
全体的には過不足なく上等に仕上げられていて満足感の高い料理でした。
スープ仕立ての滑らかなプディング。カラメルの部分はソルベに仕立ててあるのがおもしろいですね。大人が楽しめるプディングです。
料理はいずれも端正に仕上げられ、これ見よがしのギミックなどはありませんが素材の持ち味を活かし実直に仕立てられた味わいは好ましいものでした。
料理のクオリティが上々だっただけに、ちょっと店舗の雰囲気がチープなところが惜しまれます。もちろん、逆のパターン、雰囲気は良いけど料理がダメ、ってヤツよりはるかに良いですけどね(笑)。
ワインは併設のワインショップの「店頭価格+コーキッジ料(抜栓料)」で楽しむことができますので、ワイン好きなかたにはオススメです。
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・店名 レストラン アロム
・住所 東京都品川区北品川5-6-1
大崎ブライトタワー 1階
・電話 050-5487-3210
・備考 特になし。
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ようやく緊急事態宣言も明け、ほんとうにひさしぶりに友人たちと外食に出掛けたのでした。
向かったのは荒木町。
駅で言いますと曙橋と四谷三丁目の間に位置するあたりですね。
自動車がひしめきあう新宿通りから坂を下ればそこは無数の看板に明りが灯る酒と料理の街。かつては花街だったと言う風情をそこはかとなく感じる、趣のある街並みです。
この日訪れたのは初訪問となる「荒木町たつや」。
8席のカウンター席は予約で数ヶ月先まで埋まっていると言うプラチナシート。
ぼくも人並みにいわゆる予約困難店などと呼ばれる飲食店に行ってみたいと言う気持ちは有るのですが、なにせ根がものぐさなものですから、実際に電話を掛けまくったり予約のためだけに店を訪問したり、と言った行動がなかなかできません。
この日もグルメな友人がだいぶ前に予約してくれていたお席におじゃましたのでした。ありがたや。
「荒木町たつや」は2021年のミシュランガイドでも一つ星を獲得。
こちとらミシュランガイドに掲載されたからと言って訪問の際に気負うことはありませんが、ご主人の石山竜也氏がかの名店「神楽坂石かわ」一派の出身との事前情報に襟を正す思いで暖簾をくぐったのでした。
先付は毛蟹と「みず」。
「みず」は秋田で好んで食される山菜のひとつ。
しゃきしゃきした食感が食欲を呼び覚ましますね。
秋刀魚の春巻とウドの花。
春巻の半分は秋刀魚と松茸、半分は秋刀魚と香茸と言う趣向です。
香茸もその名の通り香りの良いきのこですが、華やかさでは松茸でしょうか。
この夜の椀種は松茸と甘鯛でした。
存在感の有る大きさと素晴らしい香りの松茸、旨味をたっぷりと湛えた甘鯛に負けず印象に残る芳醇な出汁の味わいは前半の料理のハイライト。
こちらは出汁漬けにしたいくら。
お造りはくえ、焼き霜造りの鰆、真鯛。
いずれも甲乙付け難い味わいでしたが、この日は甘みのある真鯛が非常に美味でした。
焼きものは金目鯛。
繊細なお造りの味わいから一転、力強くまた香り高いひと品は鮮烈な印象を残します。
炊合せには鴨と芹、そして11種類ものきのこ。
鴨の鴨らしい味わいを引き立てるのはこちらも滋味深い出汁の風味。
そしてその滋味深いお出汁は雑炊に。
これ、お代わりしたくなります。
柿と栗を使った甘味で本日のコースは完成。
いずれの料理も素材の持ち味を最大限に活かした、繊細かつ確かな技術が伺える上質なものでした。
お会計はだいぶ良い感じで日本酒を頂いて1万円代半ば。この料理のクオリティを考えたらお値打ち価格ではないでしょうか。
四季折々に訪問したくなるような佳店ですが、予約がなかなか取れませんので次回の訪問はだいぶ先になりそうです。
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・店名 荒木町たつや
・住所 東京都新宿区荒木町10
タウンコートナナウミ 1階
・電話 03-6709-8087
・備考 予約はお早めに。
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この日は乗換えで大井町で下車。
夕飯にはちょっと早い時間帯だったのですが、昼食を食べていなかったので遅めの昼食兼早めの夕飯と言うことで大井町で食事をすることにしたのです。
区民会館「きゅりあん」の裏手にある古めかしい洋食屋さんの「プロヴァンス」にでも行こうかな、と思っていたのですが…。
あれ?
いつの間にか「たれ山」が大井町にできてますね。
「プロヴァンス」の洋食も良いけど…今日はせっかくなので「たれ山」の焼肉にしましょう、最近焼肉食べてなかったし。
「たれ山」はあの吉祥寺の「肉山」グループの焼肉レストラン。
高田馬場に最初の店舗を出店したのが2018年。その後2020年に中野店、そして2021年5月にこちらの大井町店をオープン。
名物はその店名の通り「たれ」で頂く焼肉なのですが、そのたれは醤油ベースのものではなく「味噌だれ」であるところが特徴。
看板や暖簾に「焼肉とご飯」とあるように、数十種類の食材を調合したオリジナルの味噌だれはご飯に合う味わいなのです。
まずは塩系からいってみましょう。
「たれ山」の焼きものは肉の量が半分、お値段も半分の「ハーフサイズ」が用意されていますので、ひとり焼肉の場合は便利ですね。
「上タン(塩)」はさっと炙るとすばらしく香ばしい脂の香り。
「特上ハラミ(塩)」も香り良く味わいもまずまず。だったのですが、前に高田馬場の「たれ山」で頂いた絶品のハラミと比べてしまうとハラミらしい味わいの濃さと言う面では一段二段落ちる印象でした。
後半は「たれ」系で。
「上カルビ」、「和牛リブロース」ともにたっぷりとサシが入った部位になりますが、この味噌だれと合わせると味噌の香りと脂の香りがブレンドされて、さほどサシの重さを感じなくなるのは不思議。ご飯にも良くマッチする味わいです。
肉質は前に高田馬場で頂いたときの印象より全体的にやや落ちる感じはありましたが、とは言えそれでもお会計は肉のクオリティを考えたらお安めと思います。
焼肉激戦区・大井町でいつもの焼肉とはひと味違う焼肉を楽しみたい時にオススメです。
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・店名 たれ山 大井町店
・住所 東京都品川区東大井5-17-2
野村ビル 1階
・電話 03-6433-2946
・備考 特になし。
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相も変わらずの緊急事態宣言下で外食もままならない毎日ですが、なんとか元気に生きています。
新型コロナウィルスの流行とは関係なく、ここ数年よく思っていたのですが、行きたいお店には気になったときにすぐ行くべき、なんですよね。
いつか行きたいな。と思いつつも、懐具合だったり、タイミングだったり、その他諸条件が折り合わず訪問の機会を逸したまま月日は流れ、そしてあるとき不意に目にする閉店のお知らせ。
なんとも言えない喪失感、寂寥感にとらわれることになるのです。
ましてやこのコロナ禍。こんな状況があと何ヶ月続くのか、何年続くのかぼくにはさっぱり見当が付きませんが、廃業や閉店を決意する飲食店がますます増えることは容易に想像できます。
悔いのないよう一食一食を大切にしたいものですが、20時閉店ってのはどうにかなりませんかね…。
この日は大崎で打合せを済ませたあと、この界隈の飲食店に詳しいグルメな友人が教えてくれたお店を訪問。
それがこちら。
百反通りの大崎と戸越のちょうど中間点あたりに見えてくる「焼いた餃子と白いめし」と書かれた看板が目印の「餃子とめしの包琳(ぱおりん)」。
実はこの場所、つけ麺好きなら知らない者はいないであろう有名店「六厘舎」の旧本店跡地。
「餃子とめしの包琳」は「六厘舎」の経営母体である株式会社松富士食品が手がける新業態店なのです。
これはぼくの独断と偏見に基づく勝手な意見なのですが、ウマい餃子を喰わせてくれるお店はだいたいメニューがシンプルなのですよ。
具材違いでさまざまな餃子をラインナップさせているお店、有りますが、そのような店でウマい餃子に当たったためしがありません。
で、「餃子とめしの包琳」のメニューですよ。
こちらのメニューはいたってシンプル。
餃子。豚汁。ライス。
そしてそれらをセットにした餃子定食。
以上。
うんうん、良いじゃないこのシンプルさ。
この日頂いたのはこちら。
餃子の形状は焼き餃子で良く見かける三日月型ではなく、ぱっと見焼き小籠包のような丸みを帯びています。
まずはひと口。
お、これ、なかなかウマいですね。
具材はオーソドックスですが、それぞれの具材のバランスが良く吟味されていることがわかります。
特に香味野菜のバランスが良いですね。最初ににんにくとにらが香り、その後でピリッと生姜が後味を締めます。
個人的には焼き餃子は底面はパリッと焼けていて、側面はもっちり感が有って、と言うそのコントラストがはっきりしているほうが好みなのですが、「餃子とめしの包琳」の餃子はこのような形状ゆえ「揚げ焼き」のように少し多めの油で焼きを入れていると思われ、側面まで強めの焼き色が着いています。
そのようなわけで皮については油分が強めに感じられますので、12個頂くと腹にずっしりくる感じです。
無料でにんにくを付けてくれますので、お好みで「追いにんにく」もアリですね。
テイクアウトは8個で480円とお手頃価格。
ビニール袋に厳重に封入して冷蔵庫に保管したつもりだったのですが、それでも冷蔵庫のなかがかぐわしい香りでいっぱいになりました(笑)。
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・店名 餃子とめしの包琳(ぱおりん)
・住所 東京都品川区大崎3-14-10
・電話 03-6417-3661
・備考 特になし。
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先日、例のワクチンの接種を済ませてきたのですが、接種の前日、既に接種を済ませていたかたに、なにか気をつけることってあります??と軽い気持ちで訊いたところ、返ってきたのは「最後の晩餐になるかもしれないから今夜はおいしいものを食べて帰ってね(ニッコリ)」と言うナイスなアドバイス。
スティーヴ・ジョブズの有名なスピーチの中に“If you live each day as if it was your last, someday you'll most certainly be right”(毎日をそれが人生最後の一日だと思って生きれば、いつかその通りになるだろう)と言う一節がありますが、こんな時代に生きているとそのことばの重みに改めて気付かされます。
一日一日をたいせつに、一食一食をたいせつに。
忙しいとそんな気持ちをすぐに忘れてしまうんですけどね。
そんなわけで後輩に仕事を押し付け、早めにオフィスを抜け出して向かったのは日本橋室町。
「ビストロ石川亭」は神田に本店を置く人気ビストロ。
ランチタイムにはハンバーグやとんかつもあったりして、本格的なビストロにはカテゴライズできないお店かもしれませんが、お値段お安めでポーションもしっかり、と言った特徴は、本来のビストロ的な精神が色濃く現れている美点と言っても良いかと思います。
昨年までは銀座ベルビア館にも支店があり、そちらにはランチタイムに何度か訪問したことがあったのですが、こちらの店舗は初訪問。
この夜頂いたのは前菜の盛合せ、本日のスープ、4種類から選べるメインディッシュと言う構成のディナープリフィックスセット。
お値段なんと1,980円(税込)。
ランチタイムも激安・メガ盛りで有名な「ビストロ石川亭」ですが、ディナータイムのお値段にもびっくりです(スタッフのかたに確認はしなかったのですが、たぶんいまだけの特別価格と思います)。
この日の前菜は鮪のカルパッチョ、キッシュ、イベリコ豚のチョリソ、鴨のテリーヌ。
「三種盛り合わせ」と謳いながら3種類以上ありますがこう言う嘘は大歓迎。キャロットラペもカウントすると5種類かな。
鮪はおおぶりで味わいも上等、鴨を使ったテリーヌも本格的な風味でした。
飾り気はありませんが質実剛健、充実した前菜です。
スープは蒸し暑いこの時期に嬉しいヴィシソワーズ。
思いのほか野性味のあるじゃがいもの風味です。
メインディッシュは以下の4種類。
この日のぼくのチョイスはこちら。
たっぷり300g以上ありそうなポーションは大迫力のビジュアル。
豚肉自体の味わいを楽しみたいぼくにはソースの味わいがちょっと濃いめに感じましたが、ひとによってはこのポーションであっさりめの味付けだと「食べ飽きてしまう」ような印象を抱いてしまうかもしれませんので、その意味ではこのちょっと濃いめの味付け、が正解なのかもしれません。
いずれにしても日本橋の一等地にしてこのお値段。
驚きのお値打ちディナーでございました。
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・店名 ビストロ石川亭 コレド室町店
・住所 東京都中央区日本橋室町2-2-1
COREDO室町1 3階
・電話 050-5266-0366
・備考 特になし。
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昨日はちょっとした用事があり昼どきに銀座へ。
銀座界隈は仕事がらしょっちゅう通ることは通るのですが、それはたいてい平日の夜なので、昼間の銀座はひさしぶり。
ちょっとびっくりしたのはその人出の多さ。
緊急事態宣言が解除され、さらにデパートも夏のセールが始まっていたりと言うこともあるのでしょうね、だいぶひとが戻っている印象が強い日曜日の銀座です。
で、打合せを兼ねてランチと言う予定だったので、ちょっと豪勢にビステッカでも食べようかと店は目星を付けておいたのですが、残念ながら当日では予約ができず路線変更でこちらに。
「西洋料理 三笠會館GINZA 1925 三越銀座店」。
「会館」じゃないですからね、「會館」ですから。
由緒正しさ感が伝わります。
「西洋料理 三笠會館GINZA 1925 三越銀座店」は並木通りの「三笠会館 本店」(こちらの表記はなぜか「会館」なのですね)の支店。
現在ではフレンチ、イタリアン、日本料理などさまざまなジャンルの飲食店を展開する「三笠会館」グループですが、こちらの「西洋料理 三笠會館GINZA 1925 三越銀座店」の料理は創業当時の原点である「洋食」にフォーカスしたものなんだそう。
この日はスープとお好みのメインディッシュと食後の飲みものがセットになった「お好み洋食セット」(2,450円〜)を頂きました。
この日のメインディッシュは4種類。
どれもウマそうですが洋食の王道って感じの「有頭海老フライとズワイ蟹のクリームコロッケ」。
これにしておきますかね。
スープはコンソメと季節のポタージュを選ぶことができます。
蒸し暑かったので冷たいポタージュをチョイス
グリーンピースが嫌いな子どもって多いですよね。
あれって冷凍のミックスベジタブルが原因じゃないかなあ。ボソボソして食感が悪いですし、旨味が無くて豆臭さが強調されてしまうんですよね。
もちろん、こちらのポタージュは上等。実に上等。
子どもにはこう言うスープを飲んでもらってグリーンピース好きになってもらいたいものです。
そしてこちらが本日のメインディッシュ。
海老フライ…の前にクリームコロッケの話をしましょうか。
正直、このメニューをオーダしたのは海老フライを食べたかったからで、クリームコロッケはまったくもって眼中に無かったのです。
ぼくのなかではクリームコロッケ、あんなもの子どもが喜んで喰うもの、そう言う認識でした。
揚げものはだいたいなんでも好きですが、唯一テーブルに有っても食指が動かないもの、それがクリームコロッケだったのです。
そんなわけでぜんぜん期待もせずにこのクリームコロッケ、頂いてみたのですが、これ、ぼくのクリームコロッケに対する概念を改めさせてくれるくらいステキな味わいでございました。
ひと口頂くと滑らかなベシャメルソースとともに広がる旨味の強い甲殻類の味わい。実にリッチな風味。
これは子どもに食べさせるなんてモッタイナイ。
で、海老フライ。いや、もちろん海老フライ、ウマいですよだって「三笠會館」だもん。
でもクリームコロッケの印象が強すぎてこの日の主役はクリームコロッケ、でした。
コーヒーカップの絵柄は「三笠會館」のシンボルの鹿。
コーヒーも上等でした。こう言うところに手を抜かないレストラン、好感が持てますね。
洋食としては少しお高めですが、クオリティには大満足。老舗の洋食、侮れませんね。
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・住所 東京都中央区銀座4-6-16
銀座三越 11階
・電話 03-6263-2745
・備考 特になし。
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あいかわらず外食もままならない日々が続いていますが、この日は所用で浜松へ。
観光で訪問したわけではないのですが、せっかくなので昼食に鰻を食べようか、と思いついたのです。
そこで浜松に詳しいグルメな友人にメッセージを送ると、3秒後に浜松で鰻を食べるなら浜名湖がオススメ、とアドバイスが返ってきました。
幸い時間はたっぷり有るので、往復40km、鰻を求めて浜名湖まで脚を延ばすことにしたのです。
グルメな友人のオススメは2店。
まずは「炭焼うなぎ 加茂」。
検索すると名店の誉れ高い有名店のようですが、かなり早めの時刻から行列し売切れてしまうこともあると言う情報。
もう1店舗は「うなぎ処 勝美 三ケ日本店」。
こちらは浜名湖と猪鼻湖(いのはなこ)の境に掛かる瀬戸橋のたもとにある人気店です。
しばし悩みましたが、確実に鰻を食すことを重視し「うなぎ処 勝美 三ケ日本店」を訪問してみました。
座敷に上がると湖側は全面がガラス張りとなっています。
なかなかみごとなレイクビュー。
さ、鰻です。
どれにしましょ。
鰻重ですと、もっともお安い「勝美」が鰻3/4本で3,470円。
鰻1本だと「竹」(4,130円)。
その上には鰻1本半の「松」、鰻2本の「特」がありますが、お値段もそれなりにそれなりするので、「竹」(4,130円)を注文。
(ちなみに「天然うな重」には「時価」と恐ろしいことが書いてありますが、グルメな友人によれば実はリーズナブルなお値段なんだそうです)
パリッと揚げられた鰻を頂きつつ待つこと20分ほど。
待望の鰻重とご対面。
みなさまご存知の通り、鰻の蒲焼の調理方法としては関東風、関西風と言う2種類が有りますね。
背開きにした鰻を素焼きにしてから蒸しの工程を経てたれにくぐらせて焼き上げるのが関東風。
腹開きにした鰻を蒸さずに直焼きで仕上げるのが関西風。
で、その関東風、関西風の境界線はどこか、と言う話になるのですが、どうもその境界は浜松から諏訪湖に至る天竜川沿いらしいのですね。
浜松には関東風、関西風、両方の鰻店が存在するらしいのですが、こちら「うなぎ処 勝美」の蒲焼は蒸さない関西風の仕上げになっています。
今回頂いた鰻は養殖ものではありますが、養殖ものに有りがちな脂のしつこさもなく、また、専用の井戸水を用いて丁寧に泥臭さを抜いていると言うことで、すっきりとした淡麗な味わいです。
関東風のようなふっくらとした身の食感は有りませんが、その代わりパリッとした皮目の食感、香ばしさが印象的ですね。
レイクビューで頂く浜名湖の鰻、なかなか上等な味わいでございました。
再訪した際は「時価」の「天然うな重」を頂いてみたいと思います。
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・店名 うなぎ処 勝美 三ケ日本店
・住所 静岡県湖西市横山318
・電話 053-525-1055
・備考 特になし。
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緊急事態宣言も解除されたのでひさしぶりに外で夕飯を食べてから帰宅することにしたのです。
途中下車したのは麻布十番。
緊急事態宣言は解除されたものの、ひと通りは少なくちょっと活気が無い麻布十番です。
この日は緊急事態宣言発令前に見つけてちょっと気になっていたお店を訪問することに。
それがこちら。
老舗焼肉レストランの「三幸園」のご近所にある「麺Cuisine麻布邸」。
ウェブサイトの説明に「麺Cuisine麻布邸は、『パスタ』のようにおしゃれでなく、『ラーメン』のように様々な変化にはどこか乏しく、『おそば』よりもダイエットに不向きと勘違いされている『うどん』にフォーカスし、うどんの新しい可能性を提案するCuisineです」とある通り、新しいスタイルの「うどん」屋さんでございます。
グラウンドレベルから少し下がった半地下の店内はカフェっぽい印象。
明るく清潔感のあるインテリアですが、白色のLED光が妙に目立ち、あまり寛げる雰囲気ではありません。
この日頂いたうどんはこちら。
まずはうどん。
細めの麺は糖質を一般的なうどんに比べ50%減少させているそうです。
前に、うどんではないのですが糖質OFFの麺を口にする機会がありまして、その麺が材料のせいかはたまた製法のせいか、コシが無く風味に乏しいものでがっかりした記憶があります。
その点こちらのうどんは普通のうどんに近い食感で食べられますので、第一印象は悪くはありません。
ただし、麺のほどけが悪く、またうどんらしい弾力感に乏しく、やはり普通のうどんと比べると食感の面ではやや不利な印象を受けます。
出汁もきりりとした味わいで悪くはないのですが、どうせ味わいの強い牛すじの煮込みと合わせるならもう少し下世話な感じに仕立ててもおもしろいかもしれません。
あと、これは好みの問題ですが、個人的には「わかめ」って意外に主張の強い食材だと思っていますので、むしろ無い方がスッキリするような気がします。
うどんに加えてもうひと品。
炭水化物摂りすぎのような気もしますが、十六穀米なのでちょっと罪悪感も軽め(笑)。
カレーは「うどん屋さんのカレーうどん」的な出汁カレーを想像していたのですが、思いのほかスパイシーでこれはこれでおもしろいですね。
麻布十番としてはお値段もお手頃、オシャレな雰囲気でオシャレなうどんを、と言う趣向は良いと思うのですが、もう少しディープな、印象に残るようなポイントが欲しいところではあります。
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・店名 麺Cuisine麻布邸
・住所 東京都港区麻布十番1-9-9
柴崎ビル 1階
・電話 03-6441-0351
・備考 特になし。
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この日は昼すぎに銀座に予定が有り、それならば、と言うわけでちょっと行ってみたかったしゃぶしゃぶ屋さんへ。
なんでもランチでは和牛のお重がリーズナブルに楽しめると聞いて馳せ参じたのですが、正午過ぎたばかりと言うのにすでに店に通じる通路には長蛇の列。
基本ヒマ人のぼくですが、こんな行列に付き合っていてはさすがにこの後の予定に響きますので、泣く泣く和牛は諦め別の店を探すことにしたのです。
とりあえず近場のイグジットメルサのレストランフロアでランチが食べられそうなお店を探し、この日のランチは7階の「ロシア料理レストラン ロゴスキー」で頂くことにしたのです。
「ロシア料理レストラン ロゴスキー」と言えば、日本最古のロシア料理レストラン。と言うことくらいはぼくも知っていたのですが、実は訪問するのはこれが初めて。
開業は1951年、ことしでなんと創業70周年を迎えた老舗でございます。
この日頂いたのは「シャシリクランチ」(2,600円)。
メインディッシュは「シャシリク」と呼ばれるロシアのバーベキュー料理になります。
手前は鰊のマリネ、真ん中は左からきのこのマリネ、ビーツとジャガイモのサラダ、人参と胡桃のサラダ。
いずれもさっぱりとした素朴な味わいです。
ピロシキは肉、野菜、ゆで卵とひき肉の3種類から選ぶことができます。
ぼくのチョイスは「肉」で。
「ボルシチ」と言っても地方によって調理法、材料の違いによって種々さまざまなバリエーションがあるそうで、こちらはウクライナ式だそうです。
鮮やかな色合いはビーツによるもの。具沢山のスープは牛肉の旨味と野菜の滋味が凝縮されていて、素朴ですが実に味わい深いひと品でした。
そしてこちらがメインディッシュ。
こちらのシャシリクに使われているのは仔羊の肩ロース肉。
野趣あふれるビジュアルですが、熟成をかけた仔羊は柔らかくきめ細やかな肉質。
肉自体の味わいはスッキリとしたもので、羊好きなかたにはちょっと物足りないくらいのあっさり具合ですが、添えられた「アジーカ」と言うコーカサス地方発祥の少し辛いソースと合わせて頂くと、ソースの辛さと野菜由来の甘みが仔羊の肉と相まってなかなか充実感のあるテイストになります。
こちらは食後のドリンク。
世界各国の料理が楽しめる東京でも、なかなかロシア料理を頂く機会と言うのはありません。
たまの変化球には悪くないチョイスですね。
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・店名 ロシア料理レストラン ロゴスキー
・住所 東京都中央区銀座5-7-10
イグジットメルサ 7階
・電話 03-6274-6670
・備考 特になし。
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あいかわらずの緊急事態宣言で外食もままならない日々が続いていますが、この日は春みたいなまばゆい陽光に誘われて天王洲アイルを散策。
いつも通り「breadworks」でパンでも買って帰ろうか、と思い運河沿いを歩いていると、どこからか肉を焼いている香ばしい匂いが漂ってきます。
最近テイクアウトものやデリバリーものばかり食べていて、調理する際の音や香り、そう言ったライブ感にはほんとご無沙汰だったので、鼻孔をくすぐる食べものの香りと言うのは久しぶりで新鮮な刺激です。
パンの購入は後まわしにして、思わず匂いの発生源の特定をするために調査を開始(笑)。
この日の天王洲アイルでは「ART MARKET TENNOZ 2021」と言うアートイベントが開催されていて、運河沿いもたいへんな賑わい。
キッチンカーも何台か出店していて、例の香りは天王洲アイルの常設のレストランではなく、これらのキッチンカーから発せられているようです。
そして発見。匂いのもとはこの店ですね?
「POMMES PROST(ポメスプロースト)」と言うキッチンカーです。
こちら、もともとは代官山でベルギースタイルのフリッツ(フライドポテト)の店舗を営業していたそうですが、現在はキッチンカーに業態を変更し、メニューも肉料理も取り混ぜてレパートリーを広げているようです。
ちなみに「POMMES PROST」のキッチンカーは絶賛修理中で、この黒い車両は借りものなんだそうで。
メニューを見ますとアンガスビーフを使った「ローストビーフライス」が950円。
「グリルチキンライス」が850円。
そしてローストビーフとグリルチキンの両方が楽しめると言う魅力的な「スペシャルミートコンボライス」なるメニューが1,250円。
スペシャルミートコンボライス…惹かれますが、実は2時間ほどまえに昼食を頂いたばかり。
スペシャルミートコンボライスは泣く泣く諦めてこちらを。
待つこと数分、ずしりと持ち重りのする皿をゲットしてさっそく頂いてみました。
まず目を奪われるのはたっぷりのチキン。ですが、ワンプレートのなかにグリーンサラダ、キャロットラペ、パスタ、ビーンズなどが散りばめられていて彩りが豊か。
グリルチキンのソースは「シャリアーピンソース」、「ハニーマスタードソース」、「柚子胡椒ソース」から選べますが、スタッフのオススメでさっぱりとした「柚子胡椒ソース」を。
このチキン、ひと晩スパイスに漬け込んだものを焼き上げるそうで、パリッとした鶏肉の皮目の香ばしさとスパイスの風味のバランスが秀逸。
ジャマイカの料理でジャークチキン、あるじゃないですか。イメージとしてはあんなイメージなのですが、こちらのグリルチキンは辛さはなく、スパイスの香ばしさだけが印象に残る。そんなテイストです。
いやいやキッチンカー、侮れない。と言うか、ウチの近所に店があったら毎週通いたいくらい好みのテイストです。
胃袋にあまり余裕がなくてローストビーフを食べられなかったのが残念。
次回見かけたら今度こそは「スペシャルミートコンボライス」、頂いてみたいと思います。
あけましておめでとうございます。と言うタイミングでもないのですが、年明けそうそう関東に再び緊急事態宣言が発令されたことですっかり外食の機会が減ってしまい、このブログがことし初のブログでございます。
あの20時閉店ってのはホントぼくのように外食に頼りっきりのサラリーマンにとっては弱ってしまう規制でして。
帰宅してから自炊しろよ?とか、仕事の合間に夕飯行けよ?とかいろいろご意見も有るかとは思うのですが、なんと言うか、仕事を毎日毎日なんとかやっつけて、帰宅する前にホッとした気分で夕飯を頂くってのがサードプレイス的な息抜き、ストレス発散だったのですよね。
まあこのご時世、そんな愚痴を言っていても始まりませんので、自由に外食が楽しめる日が再びやってくることを夢見つつ前向きに生きていきたいと思う2021年でございます。
で、本日のブログは緊急事態宣言突入前に訪問したお店をご紹介。
場所は品川駅から京急でひと駅。北品川。
この夜訪れたのは北品川商店街にある焼肉店「もんもん」。
都心の繁華街で頂いたらお財布の中身がちょっと気になってしまうような上質な焼肉が下町価格で楽しめることで地元民に大人気の焼肉店です。
焼肉店の定番、ナムルやキムチですが、最近はこのような一品料理を趣向を凝らして用意する焼肉店が増えていますね。
こちらのキムチも本場のキムチのテイストとは違うのだと思いますが、白菜のフレッシュ感を活かした浅漬け感のあるタイプ。これ、なかなかイケます。
焼きものはまずはこちらから。
たっぷり盛られたタンが500円。今どき嬉しいワンコイン。
普段は厚切り系のタンをウマいと感じるほうなのですが、前に頂いて印象が良かった「タン先」をこの日もオーダしてみました。
これが当たりでした。しっかりした食感のなかにギュッと詰まったタンの旨味。
タン好きだったら延々と食べていられるくらい飽きない味わいです。
このタンが500円なんてビックリ。
タンのあとはいきなり本日の真打ち登場。
この日は「もんもん」が一頭買いした佐賀牛枝肉共励会チャンピオン牛が入っていましたので、上等な部位が特別価格で提供されていました。
極上5種盛りの部位は左上から時計回りに
と言うラインナップ。
いずれもきめ細やかにサシが入った美しい部位ですが、目を奪われたのが「マキロウ」と書かれた部位。
聞いたことが無い部位で、検索しても良くわからなかったのですが「マキ」はリブロースに「巻き」付いている「マキ」、「ロウ」は牛脂を指す「牛蝋」の「蝋」かと思われます(間違っていたらごめんなさい)。
さすがにこの「マキロウ」なる部位はトゥーマッチ感が否めませんでしたが、それ以外の部位は赤身の旨味が強い「ハゴイタ」(肩甲骨付近の希少部位)、「小モモ」から、サシがジューシーな「中落ち」までそれぞれの部位ごとに上質な味わいでした。
なかでもこちらのイチボはサシの甘さと芳醇な香りが素晴らしく上等なイチボでした。
おまけでタオルも頂きましたが、これ、いつ使えば良いのでしょうか…(笑)。
個人的には普通のランクの「ロース」や「カルビ」がウマい店って好感が持てるのです。
良心的な店って感じがするんですよね。
「もんもん」の好ましいところは、先ほどの「極上○○盛り」みたいな豪勢な料理ではない、スタンダードなメニューにもコストパフォーマンスに優れたものが多いこと。たとえばこちら。
これだって都心の焼肉店で頂いたら優に2倍以上のプライスが付いていてもおかしくないくらいの上等な肉質。
ご飯にマッチする濃いめのタレ味がまた良いのです。
焼肉オンザライス党のオレにはたまらないのがこれですね。
スープも具だくさん、そしてカルビも豪快に投入されていてさしずめ「食べるスープ」と言った趣です。
デザートまで頂いて腹いっぱい。
ウマい焼肉で腹いっぱいと言うのはホント幸せですねえ。
品川界隈でコストパフォーマンス良く上等な焼肉が食べたいときに間違いないチョイスです。
ただし人気店なので予約は早めが吉です。
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・店名 もんもん
・住所 東京都品川区北品川1-23-18
海文堂ビル 地下1階
・電話 03-3471-4129
・備考 予約をオススメします。
・参考記事 2020年04月01日「北品川 もんもん」
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この日は前からずっと訪問したかったレストランで夕飯を頂くために品川へ。
品川駅界隈もリニア新幹線やら高輪ゲートウェイ駅(それにしてもどうにかならないんですかねこの駅名)の開業を受けて再開発が始まっていて、実は本日のお目当のお店ももともとの駅前のビルから少し離れた場所に移転したばかり。
店内はカラフルな電飾が施され、なにやら怪しくも楽しげな雰囲気。
このご時世ですが店内はほとんどのテーブルが埋まっていて大盛況でした。
お通しのちょっとウマい搾菜でもつまみながら料理を選んでいきましょう。
まずは前菜がわりにこちら。
思いのほか鮮やかな辛さ。でもこの辛さが食欲を刺激しますね。
そして餃子ももちろんオーダ。
餃子は焼き餃子が2種類。
水餃子は4種類。
まずは野菜餃子からいってみましょう。
どちらかと言うと主役は「肉餃子」なのかな、と思いながらこの「野菜餃子」、頂いてみたのですが、予想は良い意味で裏切られました。
この野菜餃子、具材のバランスが絶妙。ちょっと多めの香味野菜が良い味を出しています。
個人的には焼き・蒸し餃子に関してはあまりもっちもちしている皮は好みではないのですが「餃子マニア」の皮は存在感がありつつも余計な厚みが無く好印象です。
「肉餃子」ももちろんウマいことはウマいのですが、最初に頂いた「野菜餃子」が望外にウマかったので、こちらはちょっと印象が薄くなってしまいました。
そして水餃子も。
オーソドックスに具材は海老をチョイスしました。
海老の旨味が濃厚に詰まった水餃子はリッチな味わい。
〆め的な料理についても「魯肉飯」や「極・鶏スープ」などちょっとウマそうなメニューが取り揃えられていてそそられます。
ちょっとかわいらしいサイズなので、もう少しボリュームがあると良いですね。
でもちまきがメニューにあるなんて嬉しいですよね。
この日はグルメな友人たちにお誘い頂いて麻布十番へ。
例年この時期は友人たちとゴハンやら忘年会を楽しんでいたのですが、こんなご時世で忘年会は自粛。
その代わりと言ってはなんですが、この夜は1年の締めくくりにふさわしい上等な料理を楽しむことにしたのです。
ディナーのコースは前菜3〜4皿とメインディッシュ1皿からなる「menu Saison」(8,500円)と、メインディッシュが魚料理、肉料理の2皿となり「ラ・リューン」のオススメのメニューを中心に組み立てられた「menu La Lune」(10,000円)の2種類。
そう言えば、最後にフレンチを食べたのはいつだったろう。こんなご時世でたまの贅沢だから良いですよね?
「menu La Lune」(10,000円)、行っときますか。
前菜のひと品目は「ラ・リューン」のスペシャリテ。
雲丹の濃厚な甘さと南瓜のふくよかな甘さ、ふたつの異なる甘みから構成される前菜ですが、南瓜はソルベにされているためその甘さにすっきりとした切れ味が有り雲丹の味わいを引き立てます。
スペシャリテらしい完成度を誇るひと皿。
温かい前菜は鮑から。
鮑の滋味に、バターと肝のペーストの芳醇な香りが添えられた格調高い前菜です。
この日のフォアグラは栗のムースと合わせられていました。
フォアグラの濃厚な旨味とねっとりとした舌触り、そして滑らかな栗のムースの舌触りと上品な甘さが一体となってリッチな味わいを醸し出し、シードルビネガーの風味がそれぞれの食材を爽やかにまとめあげています。
結論から書きますと、この魚料理が実に上等でした。
個人的な嗜好で言いますとどちらかと言うと魚料理<肉料理なので、たいていいつも肉料理のほうが食後感としては強いのですが、今回いちばん印象に残ったのがこのひと皿。
この夜の使われていた食材は今治の鱸。「藤本さん」とは今治のカリスマ漁師で、この方の獲った魚はたいへん貴重なものと言われています。
初夏から夏に掛けてが旬と言われる鱸ですが、この日の鱸は身にしっかりとした鱸らしい味わいが感じられる上等なものでした。
パリッと香ばしい鱗としっとりと繊細な食感の身はコントラストが鮮やか。
蛤の風味のソースも滋味深く上等です。
ちなみに神経〆めだと鮮度を長く保てると言うメリットがあるそうです。
良い獲り手の技と、良い作り手の技がひと皿の中に結実した作品です。
ポルチーニ茸のパウダーが振り掛けられた小さなスープ。
優しくも香り高いスープに肉料理への期待が高まります。
「ラ・リューン」を訪問するときはたいてい肉料理にジビエを頂いていて、この日もコースメニューの肉料理をジビエに変更することもできるとのことだったのでちょっと悩んだのですが、たまにはジビエ以外のものも良いかな、と思い、コースに組み込まれている短角牛のポワレを変更せずに頂きました。
ポワレされた短角牛からは、たっぷりとしたポーションとしっかりとした身の食感が相まって肉を喰らう喜びが感じられます。食べ応えがありますね。
ソースはフォン・ド・ヴォーを使ったもので、格調高くシェフの丁寧な仕事ぶりが伺える上質なテイスト。
非常に良質のメインディッシュでしたが、前に頂いたジビエのウマさを思い出すにつけ、やはりジビエを選んでも良かったかな、と言う気持ちがふと鎌首をもたげるのでした。
ジビエはまた次の冬の楽しみに取っておきましょうかね。
パリッとキャラメリゼされた表面を割るとりんごの中にはクリームブリュレ。
充実したコースの締めくくりにふさわしい上質なデセールでした。
久しぶりに訪問した「ラ・リューン」でしたが、相変わらずの料理のクオリティに大満足。
奇を衒い過ぎることなく、ひとつひとつの素材の持ち味を丁寧に活かして構築された料理はいずれも品格を感じさせる出来栄えでした。
麻布の良心ですね。
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・店名 ラ・リューン
・住所 東京都港区東麻布2-26-16
・電話 03-3589-2005
・備考 麻布の良心。
・参考記事 2015年02月13日「東麻布 ラ・リューン(前編)」
2015年02月16日「東麻布 ラ・リューン(後編)」
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この日は仕事で関内へ。
伊勢佐木町あたりで夕飯でも…と思ったものの、このあたり不案内でピンと来る店がなく、東京へ帰ってから夕飯にするか、と思い関内駅から電車に乗ろうとしたそのとき、駅のすぐそばにいかにも老舗と言った趣の天ぷら屋を発見。
それがこちら。
「天吉(てんきち)」。
ね、なかなか風情がありますよね。ちょっと入ってみたくなるような。
「天吉」は明治5年創業、横浜でも屈指の老舗天ぷら店。
現在の建物は戦後の建築だそうですが、いかにも天ぷら屋さんと言った風格があります。
テーブルに着いてからiPhoneで検索して知ったのですが、こちらのお店、かの原由子さんのご実家なんだとか。
天ぷらの前にちょっとしたおつまみを。
さわやかな酢味噌の酸味が良いですね。上等なひと品。
「天吉」は天丼の種類が豊富で、シンプルな天丼(1,100円)から車海老を使った豪華な天吉丼(2,420円)まで9つのバリエーションがあります。
どのメニューも心惹かれますが、この日頂いた天丼はこちら。
かき揚げ、いか、きす、ししとうなどのタネが乗る「濱天丼」は「天吉」の名物。
かき揚げの風味も良く、またたれの味わいも甘すぎず辛すぎずちょうど良い塩梅。
しかし、すべてのタネに共通して言えることですが、衣はややしんなりとした食感。ぼくの好みからすると、天丼と言えど衣はもう少しサクッと軽めに揚がっていてほしいところではあります。
まあそんなちょっとした不満はありましたが、風情のある建物で頂く天ぷらはなかなか乙なもので、悪くない夕飯でございました。
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・店名 天吉
・住所 神奈川県横浜市中区港町2-9
・電話 045-681-2220
・備考 特になし。
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この日はひさしぶりに友人たちと肉を食べに曙橋へ。
曙橋と言えばあそこですよね〜あそこ。
「ヒロミヤ 3号店」。
この日はだいぶ前…確か2年くらい前…に予約していた3号店2階の貸切予約の日だったのです。
2階への入口は建物裏手のこの扉。
普通ここが入口って思わないよねえ(笑)。
急な階段で2階に上がるとお部屋はこんな感じ。
本店と同様ステンレスのそっけないテーブルの上に七輪。
臭いが付いては困る上着やバッグはビニール袋に入れておくシステムですね。
それではさっそく6,500円(税込)コースの始まりです。
コースにはひとり当たり300gの精肉、ホルモン、2時間のドリンク飲み放題、ご飯がセットになっています。
ドリンクやご飯はセルフサービスですが、これはこれでなかなか楽しいですよね。
レバーは火を入れすぎないようにあっさりと火を通し頂きました。
鮮度良く癖ない味わい。
個人的にいつも楽しみにしているタン。
厚切りのタンは気持ちの良い食感とジューシーで旨味の詰まった味わい。
上等なタンでした。
「特選2種盛り」はいつも通りハラミとサシがたっぷり入った部位の盛合せ。
旨味の濃いハラミももちろんウマいのですが…。
圧巻はこちら。
部位は尋ねなかったのですがサシの感じからリブロースあたりでしょうか。
これだけサシが入ると単にしつこい味わいになってしまいがちですが、思いのほか肉自体の味がしっかりとしていて実に美味。ちょっとびっくりでした。
塩で頂く3種盛り。
「カルビ餃子」は初めて目にするメニューでしたが、カルビを大根の千枚漬けで包んで頂くと言う趣向。
そして後半戦のハイライトへ。
大判にスライスされた「炙りロース」はさっと炙るだけで頂きます。
これ、炙られた香ばしいサシの風味に少し甘めのにんにくが効いたたれの味わいが良く合うのです。
ご飯が進みます(笑)。
焼きもののラストは味噌だれで頂く2種盛り。味噌だれの味の強さに負けない肉の旨味があります。
そしてこの日の〆めの料理はこちら。
これ、初めて頂きましたが、実に良かったですね。
焼肉屋さんが作るまぜそば、ふんだんにトッピングされた甘辛の牛肉とキムチの辛さのコンビネーションで、腹いっぱいで苦しいのについつい食べてしまいます。
最近は新規の予約をストップしているそうで、この日も次回の予約は受けてくれなかったので次の訪問がいつになるかわかりませんが、また機会を見つけて訪れてみたいですね。
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・店名 ヒロミヤ 3号店
・住所 東京都新宿区住吉町2-9
・電話 -
・備考 新規予約中止中だそうです。
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この日はちょっとした用事で三軒茶屋へ。
三軒茶屋、安くてウマい飲食店がたくさん有る街と聞いていますが、ごくたまにしか訪れない街なので、いざ食事をしようとするとどこの店に入ったら良いのか悩んでしまいます。
しかしこの日はどの店で夕飯を頂くか、こころはきまっていたのです。
そのお店とはこちら。
「とんき 三軒茶屋店」。
とんかつ好きの方なら、三軒茶屋で「とんき」と聞いて違和感を覚えたかもしれませんね。
「とんき」と言えば目黒のあの「とんき」ですよね。
しかし実は目黒の「とんき」から暖簾分けしたとんかつ店は東京だけでも駒込、高円寺、国分寺、そしてここ三軒茶屋と4店舗あるのです。
暖簾をくぐると鉤の手のかたちの12席ほどのカウンター。
そしてカウンターの上には伏せられたガラスのコップのなかに爪楊枝。
目黒の「とんき」でおなじみの光景ですね。
「とんき 三軒茶屋店」の定食メニューは3種類。
シンプルで良いですな。
ぼくのチョイスはこちら。
濃いめの揚げ色が付いた薄くカリッとした衣や、とんかつのカットの仕方は目黒の「とんき」で見慣れたビジュアルそのもの。
それでは、と頂いてみたのですが、味わいも目黒の「とんき」のとんかつを忠実に再現しているように感じました。
それ、暖簾分けなんだから当たり前じゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、暖簾分けの店舗でもけっこう味わいって違うケースがあります(意図的に変化させている場合ももちろん有りますが)。
その点、こちらは目黒の「とんき」の味わいを求めて暖簾をくぐっても、きっと後悔することはないでしょう。
有名な自動車評論家である福野礼一郎さんが目黒の「とんき」について書いた名文がありまして、ちょっと引用してみます(出典:GENROQ 2020年12月号)。
ご飯とキャベツのおかわりは絶妙のタイミングで聞かれる。(中略)
食べ終わると新しいお茶とおしぼりが出て、おっといけね、忘れるとこだったと食後の薬を取り出すと、コップの水がとんと出る。
とんかつだけが「とんき」じゃない。だから暖簾をくぐってネオンサインの目黒の街に戻ったとき「ああきてよかった、またこよう」と思う。(中略)
あなたがこの記事を読んで「とんき」に行って「とんき」を食べてお気に召すかどうか、それはわからない。食べ物の好みはひとそれぞれ。だけどここのお客はみんな「とんき」を死ぬほど愛してる。今日も明日もあさっても昨日と同じように「とんき」があれば、あなたがどう思おうが私はまったく気にしない。
いや、ハードボイルド、かっこいいなあ。駆け出しのグルメライターには書けない文章だなあ。
あなたがこの記事を読んで「とんき」に行って「とんき」を食べ…?
「とんかつ」ではなく「とんき」を食べ…?
そうなんです、「とんき」のとんかつはとんかつであってとんかつにあらず。
独特の衣だったり揚げ加減だったり、さらに言うとお店のかたの気配り、心遣いもブレンドされて「とんき」と言う食べものなんですよね。
その真髄はこの三軒茶屋の「とんき」にも受け継がれていて、こちらの店舗では調理もサービスもおひとりでこなされていましたが、それでもカウンターのお客さんへの目配り気配り気持ちよく、そのあたりはさすが「とんき」の暖簾分けと言った感じでした。
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・店名 とんき 三軒茶屋店
・住所 東京都世田谷区太子堂4-6-2
ホリエビル 1階
・電話 03-5430-2034
・備考 特になし。
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この日は大崎で打合せを済ませたあと、目黒川を散歩しながら五反田へ。
訪問したのはこちら。
「TANTO TANTO」は日本全国に幅広いジャンルの飲食店を擁する株式会社クリエイト・レストランツ・ホールディングス(ショップリストを見ますと「AWkitchen」、「磯丸水産」、「海南鶏飯食堂」などなど非常に手広く多種多様な飲食店を経営していることがわかります)が展開するカジュアルなイタリアンですが、三井ガーデンホテル五反田の1階に位置するエントランスはなかなかゴージャスで趣があります。
この日は新型コロナウィルス対策ということで密を避け風通しの良いテラスでの夕食。
ようやくテラスが気持ち良い季節になりました。
フリッタータ、プロシュートとメロン、カポナータなど定番の前菜を少しずつ盛合せに。
味わいはいずれも過不足なく990円の前菜とは思えないクオリティ。
ポーションは控えめですが、この日はセコンドが楽しみだったのでこれくらいでOKなのです。
松茸を使った秋らしいパスタ。
もちろん彼の地には松茸などありませんので、トーキョーイタリアン的なひと皿ではあるのですが、テイストはオーセンティックなイタリアンから外れたものではなく、そのあたりのバランス感覚は好印象です。
そしてこの日のお目当が「TANTO TANTO」名物のこちら。
いわゆる「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」。
Tボーンごとサーロインとフィレを焼き上げる豪快なフィレンツェの郷土料理です。
Tボーンも含めての重量ではありますが、800g。なかなかの重量感です。
これくらいのボリュームになるとビジュアル的にも大迫力ですね。
これ、ぼくの持論なのですが、ステーキやビステッカはある程度の厚みがあってこそ、こんがりと香ばしい外面からジューシーな芯の部位に至る「焼き」のグラデーションが楽しめると思うのです。
こちらサーロイン。上の写真だと骨の上側にあたる部位ですね。
ご覧の通り外側はこんがりと、芯はほどよくレア感を残した火入れ。
肉の香ばしさ、赤身の旨味ともにこのお値段を考えると上々。
この日は2名での訪問でひとり400g担当となかなかヘヴィーな夕食でしたが、余計な脂が少なかったので無事完食。食べ応えありますので、3名くらいでシェアする感じでちょうど良いかな。
本格的な「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」をリーズナブルなお値段で楽しめる『TANTO TANTO」、ガッツリと肉を頂きたいときにオススメです。
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・店名 TANTO TANTO 五反田店
・住所 東京都品川区東五反田2-2-6
三井ガーデンホテル五反田 1階
・電話 03-5447-8118
・備考 特になし。
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