緊急事態宣言も解除されたのでひさしぶりに外で夕飯を食べてから帰宅することにしたのです。
途中下車したのは麻布十番。
緊急事態宣言は解除されたものの、ひと通りは少なくちょっと活気が無い麻布十番です。
この日は緊急事態宣言発令前に見つけてちょっと気になっていたお店を訪問することに。
それがこちら。
老舗焼肉レストランの「三幸園」のご近所にある「麺Cuisine麻布邸」。
ウェブサイトの説明に「麺Cuisine麻布邸は、『パスタ』のようにおしゃれでなく、『ラーメン』のように様々な変化にはどこか乏しく、『おそば』よりもダイエットに不向きと勘違いされている『うどん』にフォーカスし、うどんの新しい可能性を提案するCuisineです」とある通り、新しいスタイルの「うどん」屋さんでございます。
グラウンドレベルから少し下がった半地下の店内はカフェっぽい印象。
明るく清潔感のあるインテリアですが、白色のLED光が妙に目立ち、あまり寛げる雰囲気ではありません。
この日頂いたうどんはこちら。
まずはうどん。
細めの麺は糖質を一般的なうどんに比べ50%減少させているそうです。
前に、うどんではないのですが糖質OFFの麺を口にする機会がありまして、その麺が材料のせいかはたまた製法のせいか、コシが無く風味に乏しいものでがっかりした記憶があります。
その点こちらのうどんは普通のうどんに近い食感で食べられますので、第一印象は悪くはありません。
ただし、麺のほどけが悪く、またうどんらしい弾力感に乏しく、やはり普通のうどんと比べると食感の面ではやや不利な印象を受けます。
出汁もきりりとした味わいで悪くはないのですが、どうせ味わいの強い牛すじの煮込みと合わせるならもう少し下世話な感じに仕立ててもおもしろいかもしれません。
あと、これは好みの問題ですが、個人的には「わかめ」って意外に主張の強い食材だと思っていますので、むしろ無い方がスッキリするような気がします。
うどんに加えてもうひと品。
炭水化物摂りすぎのような気もしますが、十六穀米なのでちょっと罪悪感も軽め(笑)。
カレーは「うどん屋さんのカレーうどん」的な出汁カレーを想像していたのですが、思いのほかスパイシーでこれはこれでおもしろいですね。
麻布十番としてはお値段もお手頃、オシャレな雰囲気でオシャレなうどんを、と言う趣向は良いと思うのですが、もう少しディープな、印象に残るようなポイントが欲しいところではあります。
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・店名 麺Cuisine麻布邸
・住所 東京都港区麻布十番1-9-9
柴崎ビル 1階
・電話 03-6441-0351
・備考 特になし。
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この日は昼すぎに銀座に予定が有り、それならば、と言うわけでちょっと行ってみたかったしゃぶしゃぶ屋さんへ。
なんでもランチでは和牛のお重がリーズナブルに楽しめると聞いて馳せ参じたのですが、正午過ぎたばかりと言うのにすでに店に通じる通路には長蛇の列。
基本ヒマ人のぼくですが、こんな行列に付き合っていてはさすがにこの後の予定に響きますので、泣く泣く和牛は諦め別の店を探すことにしたのです。
とりあえず近場のイグジットメルサのレストランフロアでランチが食べられそうなお店を探し、この日のランチは7階の「ロシア料理レストラン ロゴスキー」で頂くことにしたのです。
「ロシア料理レストラン ロゴスキー」と言えば、日本最古のロシア料理レストラン。と言うことくらいはぼくも知っていたのですが、実は訪問するのはこれが初めて。
開業は1951年、ことしでなんと創業70周年を迎えた老舗でございます。
この日頂いたのは「シャシリクランチ」(2,600円)。
メインディッシュは「シャシリク」と呼ばれるロシアのバーベキュー料理になります。
手前は鰊のマリネ、真ん中は左からきのこのマリネ、ビーツとジャガイモのサラダ、人参と胡桃のサラダ。
いずれもさっぱりとした素朴な味わいです。
ピロシキは肉、野菜、ゆで卵とひき肉の3種類から選ぶことができます。
ぼくのチョイスは「肉」で。
「ボルシチ」と言っても地方によって調理法、材料の違いによって種々さまざまなバリエーションがあるそうで、こちらはウクライナ式だそうです。
鮮やかな色合いはビーツによるもの。具沢山のスープは牛肉の旨味と野菜の滋味が凝縮されていて、素朴ですが実に味わい深いひと品でした。
そしてこちらがメインディッシュ。
こちらのシャシリクに使われているのは仔羊の肩ロース肉。
野趣あふれるビジュアルですが、熟成をかけた仔羊は柔らかくきめ細やかな肉質。
肉自体の味わいはスッキリとしたもので、羊好きなかたにはちょっと物足りないくらいのあっさり具合ですが、添えられた「アジーカ」と言うコーカサス地方発祥の少し辛いソースと合わせて頂くと、ソースの辛さと野菜由来の甘みが仔羊の肉と相まってなかなか充実感のあるテイストになります。
こちらは食後のドリンク。
世界各国の料理が楽しめる東京でも、なかなかロシア料理を頂く機会と言うのはありません。
たまの変化球には悪くないチョイスですね。
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・店名 ロシア料理レストラン ロゴスキー
・住所 東京都中央区銀座5-7-10
イグジットメルサ 7階
・電話 03-6274-6670
・備考 特になし。
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あいかわらずの緊急事態宣言で外食もままならない日々が続いていますが、この日は春みたいなまばゆい陽光に誘われて天王洲アイルを散策。
いつも通り「breadworks」でパンでも買って帰ろうか、と思い運河沿いを歩いていると、どこからか肉を焼いている香ばしい匂いが漂ってきます。
最近テイクアウトものやデリバリーものばかり食べていて、調理する際の音や香り、そう言ったライブ感にはほんとご無沙汰だったので、鼻孔をくすぐる食べものの香りと言うのは久しぶりで新鮮な刺激です。
パンの購入は後まわしにして、思わず匂いの発生源の特定をするために調査を開始(笑)。
この日の天王洲アイルでは「ART MARKET TENNOZ 2021」と言うアートイベントが開催されていて、運河沿いもたいへんな賑わい。
キッチンカーも何台か出店していて、例の香りは天王洲アイルの常設のレストランではなく、これらのキッチンカーから発せられているようです。
そして発見。匂いのもとはこの店ですね?
「POMMES PROST(ポメスプロースト)」と言うキッチンカーです。
こちら、もともとは代官山でベルギースタイルのフリッツ(フライドポテト)の店舗を営業していたそうですが、現在はキッチンカーに業態を変更し、メニューも肉料理も取り混ぜてレパートリーを広げているようです。
ちなみに「POMMES PROST」のキッチンカーは絶賛修理中で、この黒い車両は借りものなんだそうで。
メニューを見ますとアンガスビーフを使った「ローストビーフライス」が950円。
「グリルチキンライス」が850円。
そしてローストビーフとグリルチキンの両方が楽しめると言う魅力的な「スペシャルミートコンボライス」なるメニューが1,250円。
スペシャルミートコンボライス…惹かれますが、実は2時間ほどまえに昼食を頂いたばかり。
スペシャルミートコンボライスは泣く泣く諦めてこちらを。
待つこと数分、ずしりと持ち重りのする皿をゲットしてさっそく頂いてみました。
まず目を奪われるのはたっぷりのチキン。ですが、ワンプレートのなかにグリーンサラダ、キャロットラペ、パスタ、ビーンズなどが散りばめられていて彩りが豊か。
グリルチキンのソースは「シャリアーピンソース」、「ハニーマスタードソース」、「柚子胡椒ソース」から選べますが、スタッフのオススメでさっぱりとした「柚子胡椒ソース」を。
このチキン、ひと晩スパイスに漬け込んだものを焼き上げるそうで、パリッとした鶏肉の皮目の香ばしさとスパイスの風味のバランスが秀逸。
ジャマイカの料理でジャークチキン、あるじゃないですか。イメージとしてはあんなイメージなのですが、こちらのグリルチキンは辛さはなく、スパイスの香ばしさだけが印象に残る。そんなテイストです。
いやいやキッチンカー、侮れない。と言うか、ウチの近所に店があったら毎週通いたいくらい好みのテイストです。
胃袋にあまり余裕がなくてローストビーフを食べられなかったのが残念。
次回見かけたら今度こそは「スペシャルミートコンボライス」、頂いてみたいと思います。
あけましておめでとうございます。と言うタイミングでもないのですが、年明けそうそう関東に再び緊急事態宣言が発令されたことですっかり外食の機会が減ってしまい、このブログがことし初のブログでございます。
あの20時閉店ってのはホントぼくのように外食に頼りっきりのサラリーマンにとっては弱ってしまう規制でして。
帰宅してから自炊しろよ?とか、仕事の合間に夕飯行けよ?とかいろいろご意見も有るかとは思うのですが、なんと言うか、仕事を毎日毎日なんとかやっつけて、帰宅する前にホッとした気分で夕飯を頂くってのがサードプレイス的な息抜き、ストレス発散だったのですよね。
まあこのご時世、そんな愚痴を言っていても始まりませんので、自由に外食が楽しめる日が再びやってくることを夢見つつ前向きに生きていきたいと思う2021年でございます。
で、本日のブログは緊急事態宣言突入前に訪問したお店をご紹介。
場所は品川駅から京急でひと駅。北品川。
この夜訪れたのは北品川商店街にある焼肉店「もんもん」。
都心の繁華街で頂いたらお財布の中身がちょっと気になってしまうような上質な焼肉が下町価格で楽しめることで地元民に大人気の焼肉店です。
焼肉店の定番、ナムルやキムチですが、最近はこのような一品料理を趣向を凝らして用意する焼肉店が増えていますね。
こちらのキムチも本場のキムチのテイストとは違うのだと思いますが、白菜のフレッシュ感を活かした浅漬け感のあるタイプ。これ、なかなかイケます。
焼きものはまずはこちらから。
たっぷり盛られたタンが500円。今どき嬉しいワンコイン。
普段は厚切り系のタンをウマいと感じるほうなのですが、前に頂いて印象が良かった「タン先」をこの日もオーダしてみました。
これが当たりでした。しっかりした食感のなかにギュッと詰まったタンの旨味。
タン好きだったら延々と食べていられるくらい飽きない味わいです。
このタンが500円なんてビックリ。
タンのあとはいきなり本日の真打ち登場。
この日は「もんもん」が一頭買いした佐賀牛枝肉共励会チャンピオン牛が入っていましたので、上等な部位が特別価格で提供されていました。
極上5種盛りの部位は左上から時計回りに
と言うラインナップ。
いずれもきめ細やかにサシが入った美しい部位ですが、目を奪われたのが「マキロウ」と書かれた部位。
聞いたことが無い部位で、検索しても良くわからなかったのですが「マキ」はリブロースに「巻き」付いている「マキ」、「ロウ」は牛脂を指す「牛蝋」の「蝋」かと思われます(間違っていたらごめんなさい)。
さすがにこの「マキロウ」なる部位はトゥーマッチ感が否めませんでしたが、それ以外の部位は赤身の旨味が強い「ハゴイタ」(肩甲骨付近の希少部位)、「小モモ」から、サシがジューシーな「中落ち」までそれぞれの部位ごとに上質な味わいでした。
なかでもこちらのイチボはサシの甘さと芳醇な香りが素晴らしく上等なイチボでした。
おまけでタオルも頂きましたが、これ、いつ使えば良いのでしょうか…(笑)。
個人的には普通のランクの「ロース」や「カルビ」がウマい店って好感が持てるのです。
良心的な店って感じがするんですよね。
「もんもん」の好ましいところは、先ほどの「極上○○盛り」みたいな豪勢な料理ではない、スタンダードなメニューにもコストパフォーマンスに優れたものが多いこと。たとえばこちら。
これだって都心の焼肉店で頂いたら優に2倍以上のプライスが付いていてもおかしくないくらいの上等な肉質。
ご飯にマッチする濃いめのタレ味がまた良いのです。
焼肉オンザライス党のオレにはたまらないのがこれですね。
スープも具だくさん、そしてカルビも豪快に投入されていてさしずめ「食べるスープ」と言った趣です。
デザートまで頂いて腹いっぱい。
ウマい焼肉で腹いっぱいと言うのはホント幸せですねえ。
品川界隈でコストパフォーマンス良く上等な焼肉が食べたいときに間違いないチョイスです。
ただし人気店なので予約は早めが吉です。
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・店名 もんもん
・住所 東京都品川区北品川1-23-18
海文堂ビル 地下1階
・電話 03-3471-4129
・備考 予約をオススメします。
・参考記事 2020年04月01日「北品川 もんもん」
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この日は前からずっと訪問したかったレストランで夕飯を頂くために品川へ。
品川駅界隈もリニア新幹線やら高輪ゲートウェイ駅(それにしてもどうにかならないんですかねこの駅名)の開業を受けて再開発が始まっていて、実は本日のお目当のお店ももともとの駅前のビルから少し離れた場所に移転したばかり。
店内はカラフルな電飾が施され、なにやら怪しくも楽しげな雰囲気。
このご時世ですが店内はほとんどのテーブルが埋まっていて大盛況でした。
お通しのちょっとウマい搾菜でもつまみながら料理を選んでいきましょう。
まずは前菜がわりにこちら。
思いのほか鮮やかな辛さ。でもこの辛さが食欲を刺激しますね。
そして餃子ももちろんオーダ。
餃子は焼き餃子が2種類。
水餃子は4種類。
まずは野菜餃子からいってみましょう。
どちらかと言うと主役は「肉餃子」なのかな、と思いながらこの「野菜餃子」、頂いてみたのですが、予想は良い意味で裏切られました。
この野菜餃子、具材のバランスが絶妙。ちょっと多めの香味野菜が良い味を出しています。
個人的には焼き・蒸し餃子に関してはあまりもっちもちしている皮は好みではないのですが「餃子マニア」の皮は存在感がありつつも余計な厚みが無く好印象です。
「肉餃子」ももちろんウマいことはウマいのですが、最初に頂いた「野菜餃子」が望外にウマかったので、こちらはちょっと印象が薄くなってしまいました。
そして水餃子も。
オーソドックスに具材は海老をチョイスしました。
海老の旨味が濃厚に詰まった水餃子はリッチな味わい。
〆め的な料理についても「魯肉飯」や「極・鶏スープ」などちょっとウマそうなメニューが取り揃えられていてそそられます。
ちょっとかわいらしいサイズなので、もう少しボリュームがあると良いですね。
でもちまきがメニューにあるなんて嬉しいですよね。
この日はグルメな友人たちにお誘い頂いて麻布十番へ。
例年この時期は友人たちとゴハンやら忘年会を楽しんでいたのですが、こんなご時世で忘年会は自粛。
その代わりと言ってはなんですが、この夜は1年の締めくくりにふさわしい上等な料理を楽しむことにしたのです。
ディナーのコースは前菜3〜4皿とメインディッシュ1皿からなる「menu Saison」(8,500円)と、メインディッシュが魚料理、肉料理の2皿となり「ラ・リューン」のオススメのメニューを中心に組み立てられた「menu La Lune」(10,000円)の2種類。
そう言えば、最後にフレンチを食べたのはいつだったろう。こんなご時世でたまの贅沢だから良いですよね?
「menu La Lune」(10,000円)、行っときますか。
前菜のひと品目は「ラ・リューン」のスペシャリテ。
雲丹の濃厚な甘さと南瓜のふくよかな甘さ、ふたつの異なる甘みから構成される前菜ですが、南瓜はソルベにされているためその甘さにすっきりとした切れ味が有り雲丹の味わいを引き立てます。
スペシャリテらしい完成度を誇るひと皿。
温かい前菜は鮑から。
鮑の滋味に、バターと肝のペーストの芳醇な香りが添えられた格調高い前菜です。
この日のフォアグラは栗のムースと合わせられていました。
フォアグラの濃厚な旨味とねっとりとした舌触り、そして滑らかな栗のムースの舌触りと上品な甘さが一体となってリッチな味わいを醸し出し、シードルビネガーの風味がそれぞれの食材を爽やかにまとめあげています。
結論から書きますと、この魚料理が実に上等でした。
個人的な嗜好で言いますとどちらかと言うと魚料理<肉料理なので、たいていいつも肉料理のほうが食後感としては強いのですが、今回いちばん印象に残ったのがこのひと皿。
この夜の使われていた食材は今治の鱸。「藤本さん」とは今治のカリスマ漁師で、この方の獲った魚はたいへん貴重なものと言われています。
初夏から夏に掛けてが旬と言われる鱸ですが、この日の鱸は身にしっかりとした鱸らしい味わいが感じられる上等なものでした。
パリッと香ばしい鱗としっとりと繊細な食感の身はコントラストが鮮やか。
蛤の風味のソースも滋味深く上等です。
ちなみに神経〆めだと鮮度を長く保てると言うメリットがあるそうです。
良い獲り手の技と、良い作り手の技がひと皿の中に結実した作品です。
ポルチーニ茸のパウダーが振り掛けられた小さなスープ。
優しくも香り高いスープに肉料理への期待が高まります。
「ラ・リューン」を訪問するときはたいてい肉料理にジビエを頂いていて、この日もコースメニューの肉料理をジビエに変更することもできるとのことだったのでちょっと悩んだのですが、たまにはジビエ以外のものも良いかな、と思い、コースに組み込まれている短角牛のポワレを変更せずに頂きました。
ポワレされた短角牛からは、たっぷりとしたポーションとしっかりとした身の食感が相まって肉を喰らう喜びが感じられます。食べ応えがありますね。
ソースはフォン・ド・ヴォーを使ったもので、格調高くシェフの丁寧な仕事ぶりが伺える上質なテイスト。
非常に良質のメインディッシュでしたが、前に頂いたジビエのウマさを思い出すにつけ、やはりジビエを選んでも良かったかな、と言う気持ちがふと鎌首をもたげるのでした。
ジビエはまた次の冬の楽しみに取っておきましょうかね。
パリッとキャラメリゼされた表面を割るとりんごの中にはクリームブリュレ。
充実したコースの締めくくりにふさわしい上質なデセールでした。
久しぶりに訪問した「ラ・リューン」でしたが、相変わらずの料理のクオリティに大満足。
奇を衒い過ぎることなく、ひとつひとつの素材の持ち味を丁寧に活かして構築された料理はいずれも品格を感じさせる出来栄えでした。
麻布の良心ですね。
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・店名 ラ・リューン
・住所 東京都港区東麻布2-26-16
・電話 03-3589-2005
・備考 麻布の良心。
・参考記事 2015年02月13日「東麻布 ラ・リューン(前編)」
2015年02月16日「東麻布 ラ・リューン(後編)」
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この日は仕事で関内へ。
伊勢佐木町あたりで夕飯でも…と思ったものの、このあたり不案内でピンと来る店がなく、東京へ帰ってから夕飯にするか、と思い関内駅から電車に乗ろうとしたそのとき、駅のすぐそばにいかにも老舗と言った趣の天ぷら屋を発見。
それがこちら。
「天吉(てんきち)」。
ね、なかなか風情がありますよね。ちょっと入ってみたくなるような。
「天吉」は明治5年創業、横浜でも屈指の老舗天ぷら店。
現在の建物は戦後の建築だそうですが、いかにも天ぷら屋さんと言った風格があります。
テーブルに着いてからiPhoneで検索して知ったのですが、こちらのお店、かの原由子さんのご実家なんだとか。
天ぷらの前にちょっとしたおつまみを。
さわやかな酢味噌の酸味が良いですね。上等なひと品。
「天吉」は天丼の種類が豊富で、シンプルな天丼(1,100円)から車海老を使った豪華な天吉丼(2,420円)まで9つのバリエーションがあります。
どのメニューも心惹かれますが、この日頂いた天丼はこちら。
かき揚げ、いか、きす、ししとうなどのタネが乗る「濱天丼」は「天吉」の名物。
かき揚げの風味も良く、またたれの味わいも甘すぎず辛すぎずちょうど良い塩梅。
しかし、すべてのタネに共通して言えることですが、衣はややしんなりとした食感。ぼくの好みからすると、天丼と言えど衣はもう少しサクッと軽めに揚がっていてほしいところではあります。
まあそんなちょっとした不満はありましたが、風情のある建物で頂く天ぷらはなかなか乙なもので、悪くない夕飯でございました。
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・店名 天吉
・住所 神奈川県横浜市中区港町2-9
・電話 045-681-2220
・備考 特になし。
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