冷たい雨が降る夜に向かったのは不動前。
不動前駅から山手通りに出て少し歩くと見えてくるフランス国旗と、トリコロールを模したかわいらしいキャセロールのショップサインが目印。
今夜のお店はこちら「サダキ・デリ」。
「サダキ・デリ」の梶原節紀(かじわらさだき)シェフは昨年末に逝去した関西フレンチ界の重鎮、和田信平シェフ率いる「シェ・ワダ」で修行後に渡仏、帰国後の2015年にいまの店舗の向かいに「サダキ・デリ」を開店。
ちなみに和田信平シェフの人となりについては「ミチノ・ル・トゥールビヨン」の道野正シェフのブログ「和田さんのこと」に垣間見ることができますので、ご興味ある方はぜひ。
オープンして間もなく人気店になった「サダキ・デリ」、評判は耳にしていたのですがなかなか趣の有った旧店舗時代は伺う機会がなく、この夜が初訪問でした。
店内は満席。
ぎりぎりに予約したのでラスト一卓をゲット。って感じでしょうか。
店内は賑やかでどのテーブルもなんだか楽しげな雰囲気。
初めての訪問だったので料理のポーションなどをマダムに訊くと「料理は多めですよ。うちは満腹食堂ですから!」との由。
うん、いいじゃないの満腹食堂。こう言うビストロ、好きですよ。
前菜はニース風サラダ、鴨の燻製サラダ、自家製リエット、ラタトゥイユなどなど、どれもこれもウマそうな料理が15種類ほどがラインナップされていて、選択に悩みます。
お得な盛合せのプレートも有りますので、まずは3種類選んでみましょう。
- 前菜の盛り合わせ 3種(1,310円)
この日チョイスした3種類は以下の通り。
- 自家製テリーヌ
- 本日のキッシュ
- タコとクスクスのサラダ
前菜の盛合せは2名で1皿でちょうど良いボリューム感。
まずはテリーヌ、肉の味わいが濃厚で食べ応えがあります。
キッシュも柔らかな甘さを湛えたなめらかなテクスチャに上質さを感じます。
爽やかな風味のクスクスのサラダも素朴だけど滋味深い味わい。
3種類の前菜だけでも、料理の力感の一端が感じられて今夜のディナーへの期待が膨らみます。
メインディッシュの前に前菜をもうひとつ。
- 人参、海老、ホタテのムース(1,080円)
おふたりでシェアされても十分ですよ、と言うマダムのアドバイスを無視して(笑)、ひとりにひと皿、頂きました。
頂くとこのムースがとにかく濃厚。人参や魚介の旨味の凝縮感が印象的です。
ウマいし、この手の前菜、大好物なんですけど、確かにボリューム的にはシェアしても良いくらい。
ひとのアドバイスはちゃんと聞いておくものですね(笑)。
メインディッシュは肉料理を豪勢にふた皿。
まずは仔羊。
- 骨付き仔羊背肉のロースト(2,920円)
ゴロゴロっとガルニチュールがあしらわれ豪快なビジュアルですが、実際に頂いてみるとレア感を残してローストされた仔羊の繊細な食感に驚きます。
シンプルですが仔羊の味わいを余すところなく引き出され梶原節紀シェフの確かな手腕を感じるひと皿。
そしてもうひと皿の肉料理は鹿肉。
- 鹿のパイ包み焼(3,280円)
頂いてすぐに笑みがこぼれるような味わい。
ああ、これこれ。こう言う料理が食べたかったんだよ。そんな感じ。
クラシックで王道的な料理がちゃんとウマいって、実に素晴らしいことだと思います。
きめ細やかな肉質でありながら鹿らしい味わいもしっかりしているフィレ肉と香ばしいパイ、そして重厚なソースが織りなすどっしりとした存在感の有るメインディッシュでした。
こちらも大ポーション。がんばって完食しました(笑)。
重量感の有るメインディッシュを頂いてもういい加減満腹だったのですが、デセールは別腹ですよね。ってことで。
- 苺のティラミス(650円)
こちらも飾り気のないビジュアルですが味わいは上質です。
料理は前菜からメインディッシュ、デセールに至るまでいずれも揺るぎない量感と芯の有る力強い味わいに満ちていました。
そしてマダムの「満腹食堂」と言う言葉に違わぬボリューム感。
こう言うビストロ、好きだなあ。
近いうちにまた再訪してみたいと思います。
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・店名 サダキ・デリ
・住所 東京都品川区西五反田3-14-6
・電話 03-6417-3676
・備考 特になし。
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