この日は高名な中国料理研究家が主催する食事会にご招待頂き、京橋にて夕飯を。
食事会の会場は京橋のオフィス街の地下にある「四川料理 華美」。
2019年にオープンした「四川料理 華美」は、中国四川省の五ツ星ホテルである「錦江賓館」で料理長を務めた楊聡氏がオーナーシェフを務め、本格的な四川料理をリーズナブルに楽しめるレストラン。
四川料理と言えば辛さ。麻辣の味わいをまずは思い出しますが、この日の食事会のテーマは「辛くない本格四川料理」。
日本にいてはなかなか体験できない本格的かつ正統な四川料理を楽しめると聞き、期待に胸(と胃袋)を膨らませながら階段を降りたのでした。
この日はドリンク込みで5,000円(税込)と言う破格のコース料金設定。
それではさっそく料理のご紹介を。
冷菜の盛合せはいずれも品が良く、滋味深い味わい。
続く料理は柑橘のなかにグリーンピース、肉類、煮凝り上のジュレを詰めたひと品。
柑橘の香りとともにふわっと花椒の香りが広がりえも言われぬ良い香り。
そして驚きのつばめの巣。
言わずと知れた中国料理の珍味、高級食材です。ぼくも実際に頂くのは数十年ぶり。
フランのようにやわらかに仕立てた卵白の上に、ほんのり甘めに味付けがされたつばめの巣のスープが満たされています。
古来より不老長寿の薬効があると信じられている高級食材、ありがたみがありますね。
つばめの巣に続いてこちらも高級食材である鮑。
砂肝と野菜の四川風炒め。
こちらはわずかに香りづけ程度に唐辛子を使っていて、ただやたらに辛い四川料理とは一線を画す上品で軽やかな辛み。
ひと口に「辛さ」と言っても「辣味」(辛さの味わい)と、「麻味」(痺れる風味)のそれぞれの強さとお互いのバランスで辛さのバリエーションはさまざま。
本格的な四川料理を頂くと、辛さの奥深さに気付かされます。
菜の花と青山椒の炒めもの。
先ほどの砂肝の炒めものもそうでしたが、街場の「日本風中華料理店」で見かけるような、どっぷりと皿に油がたまっているような炒めものとはまったく異質の上質な炒めものです。
コース料理はここまで。なのですが、ひと品追加で麻辣焼きそばもサービスして頂きました。
こちらは目が覚めるような辛さ。
辛さの奥に花椒の風味がひろがりあとをひく味わい。
料理はいずれも品格のあるもので、これだけの料理をおどろきのコストパフォーマンスで楽しめる佳いレストランでした。
東京にいながらにして楽しめる正宗四川料理、奥深い四川料理の扉を開けてみたい方におすすめです。
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・店名 四川料理 華美
・住所 東京都中央区京橋1-6-13
金葉ビル 地下1階
・電話 03-3562-8228
・備考 コース料理の内容は応相談とのこと。
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