先日、とある水曜日のこと。
前から訪問したかったとんかつ店を訪問しようと思って新宿三丁目に向かったのですが、店の前まで来てみたところなんと定休日。
事前にチェックしてから向かえって話ですね(笑)。
しかたなくその日は近くの「ガンジー」でカレーを食してとぼとぼ帰宅したのでした。
そして日を改めて向かったのがこちら。
「王ろじ」。
「王ろじ」は1921年(大正10年創業のとんかつ店。
あと数年で創業100年と言う老舗です。
「王ろじ」と言う不思議な語感の店名には「路地裏の王様になる」という思いが込められているのだとか。
確かに新宿通りの1本裏手になりますので「路地」ではありますが、現在は「路地」とは呼べないような喧騒のまっただなかにあります。
真偽のほどは不明ですが、われわれがいま「とんかつ」と呼んでいる豚肉料理に「とんかつ」と言う呼称を使ったのはこの「王ろじ」が最初だったのだとか。
そんな老舗中の老舗である「王ろじ」の名物がこちら。
- とん丼(1,150円)
とんかつ屋のどんぶりと言えば普通はたまごでとじた「かつ丼」が定番。ですが、「王ろじ」の「とん丼」はいわゆる「カツカレー」スタイル。
丸い形状のとんかつはその形状からひれかつかと思ったのですが、実はひれかつではなく、ロース肉の脂身を削ぎ落として揚げたものなんだとか。
そのとんかつをひと口かじると、脂身が少ないので非常にさっぱりとした風味。少し塩気の強いカレーといっしょに頂くと、さほどとんかつ自体は主張してこないタイプです。
たとえば、蒲田の「とんかつ檍のカレー屋いっぺこっぺ」のカツカレーのかつは、カレーのなかにあってもなお「これは『とんかつ檍』のとんかつだよ」と主張してくるタイプ。
「王ろじ」はそうではなくて、あくまでもとんかつとカレーのハーモニー重視。
「とんかつ檍のカレー屋いっぺこっぺ」ほどのインパクトはありませんが、なんと言うのでしょうか、バランスと言いますか、ほどの良さ、と言いますか、そのあたりは老舗ならではと言ったところでしょうか。
- 豚汁 (450円)
「とん丼」とセットに「豚汁」をオーダすると言うひとが多いと聞いてぼくも「豚汁」を注文してみました。
この「豚汁」がユニーク。
注文を受けてから玉葱とベーコンを炒めて作る豚汁なのです。したがって味噌の香りとともにベーコンの香りがふわっと鼻孔を刺激します。
いやー不思議な味わい。
個人的には豚汁はフツーの豚汁のほうが良いかな?と思いましたが(笑)、まあこれもファンがたくさんいるわけで、老舗の味わいなのでしょうね。
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・店名 王ろじ
・住所 東京都新宿区新宿3-17-21
・電話 03-3352-1037
・備考 特になし。
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