
「Zappos.com」という、アメリカのインターネット通販会社があります。
あります。って言い切っていますが、先ほどまでそんな会社があるなんて不勉強で知りませんでした。
靴を中心に衣料品を扱う通販会社なんだそうです。
ただそれだけならどこにでもありそうな話なんですが、この会社、とにかくさまざまな伝説を持つ会社のようです。
あるお客さんは、うっかり買おうと思っていた靴を注文するのを忘れていて、いざ注文しようとしたら、買おうと思っていた靴はすでに完売してしまっていました。
普通だったら、「お客様がお求めの商品は完売で、次回入荷は未定です」と答えてしまえばいいのでしょうが、この会社の社員は驚くことに、「Zappos.com」が本拠地を置くラスヴェガスの靴屋をくまなく回り、お客さんが欲しかった靴を探し出し、さらに驚くことに、お客様が待っているからと言って自らお客さんに届けに行ったというのです。
儲けはゼロ。というか、こんな手間を掛けていたら大赤字でしょう。
また、あるときは病床の母親のために「Zappos.com」で靴を買った顧客がいたそうです。
残念ながら母親は快復することなく、そしてその靴を履くこともなく亡くなってしまいました。返品期間は過ぎてしまっているけど、結局履けず仕舞いだったので返品したい、という顧客の申し出に対しては、快く返品を受け付けるとともに、お悔やみの花束とメッセージカードを届けたそうです。
もちろん、このようなコスト度外視のサービスが実は書籍やブログで世界中に伝播してとてつもない広告効果を産み出しているという穿った見方もできなくはないですが、この会社の場合、もっと純粋に、お客様を喜ばせたい、お客様をビックリさせたい、そんな素朴な衝動によって行動原理が決まっているように感じられます。
口ばかり、言葉だけのCSはまったく心に響きませんが、ほんとうのCSとは何か、ほんとうの顧客志向とは何か。いろいろ考えさせられる話でした。
はい、ちょっとマジメな話のあとはLifeTeriaブログの時間です。
暑かった日曜日の昼間に、今年ぼくが大注目の中目黒「スゥリル」でランチを楽しんできました。
5月31日の初訪問以来、二度目の訪問、ランチに訪問するのは今回が初めてです。
ランチはアミューズ、前菜、スープ、メイン、デセールという構成で、前菜とメイン、デセールをそれぞれ5〜6種のメニューからチョイスします。
・アヴォカドのムースとオマール海老、そのコンソメジュレ
・とうもろこしのポタージュ
「アヴォカドのムースとオマール海老、そのコンソメジュレ」は、湯澤貴博シェフが表参道の「アンフォール」にいたころからぼくが愛してやまない前菜で、当時は行くたびにこの前菜を食べていたような記憶があります。
残念ながらいまはレギュラーのメニューにはラインナップされていませんが、この日は事前にお願いして出して頂きました。
スプーンにすくってひとくち。感無量です。
美しく黄金色に輝くジュレにオマール海老の風味を閉じ込めて、そこに少しオリエンタルな香りもフワリと漂わせ、アヴォカドのムースと一緒に口に運べば、それらが渾然一体となって舌の上に溶けていきます。
すばらしい前菜の余韻にしばし陶然としつつ、スープを。
この日はとうもろこしのポタージュ、しかしそこには思いっきりビターなコーヒーのジュレを浮かべて。才気あふれるこのシェフらしいアクセント、ジュレの苦みがとうもろこしの甘さを際立たせます。
お待ちかねのメインは、「仔羊背肉のローストの瞬間燻製 ロックフォールチーズのソース」。こちらも「アンフォール」時代に食べたことがあり、抜群にウマかった記憶があります。
というわけで、絶品の仔羊とデセールはまた明日に続きます!
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